
気軽に絶景登山ができる日本百名山の四阿山
群馬県と長野県の県境にある四阿山(標高2,354m)は日本百名山のひとつで、割と短時間で登って絶景を堪能できる山です。登山コースがいくつもあり、なだらかな山容のためいずれのコースも危険箇所が少なく、非常に登りやすいです。
山頂からの北アルプス、南アルプス、八ヶ岳などの眺望と、木々や笹が生い茂った雄大な緑の景観が特徴的です。
隣の根子岳が魅力的
四阿山は根子岳(標高2,207m)という山が隣接しており、こちらもおすすめです。というよりむしろ、山容、景観、眺めの点で四阿山よりもおすすめできるかもしれません。
冒頭の写真は四阿山で、下の写真が根子岳です。根子岳の方が山頂までの斜面がより急峻でスマートな形をしており、その斜面の笹っ原とまばらに生えた木々の景観がなんとも美しいと感じられます。後で紹介しますが、山頂からの眺めも、根子岳の方が遮るものがなくて良いです。
四阿山の方が有名ですが、訪れる際は根子岳も一緒に登った方がよいでしょう。

パルコール嬬恋ホテルから四阿山経由で根子岳まで往復登山した
私は2025年7月6日に四阿山と根子岳を登山しました(単独登山)。四阿山の登山口はたくさんあるのですが(おそらく6か所)、その中でも歩きごたえのありそうなルートにしたくて、パルコール嬬恋ホテルから根子岳までの往復ルートにしました。
パルコール嬬恋ホテルは、冬はスキー場を営業していますが、夏はゴンドラに乗って一気に標高1,500mから2,050mまで上がることができます。ですが私はより長距離を歩きたいので、ゴンドラ利用なしでホテルから歩いて登りました。そもそも、私が行った7月6日は夏のゴンドラ運行開始の1週間前で、利用できなかったのですがね。
パルコール嬬恋ホテルの四阿山登山口アクセスと駐車場
四阿山の登山口は、長野県側と群馬県側それぞれアクセスでき、登山地図で確認するとざっと計6か所もありそうです。私が登ったパルコール嬬恋は群馬県側に位置し、嬬恋村や軽井沢に近い場所となります。
以下の地図上の印の場所に位置します。最寄りの高速ICは上田菅平インターですが、30km以上の距離があって正直アクセスは良くないですね。。群馬県側からアクセスしようにも、軽井沢や渋川市から長距離の下道を行く必要があって大変です。とはいえ、道中は綺麗な景色や観光スポットがいくつもあるエリアなので、飽きることはないでしょう。
私が行ったとき、パルコール嬬恋ホテルはシーズンオフのため閑散としていました。スキー場用の広大な駐車場(無料)もスカスカで停め放題でした。

下の写真が登山客が利用できる駐車場で、他に停まっている車は見当たりませんでした。。
実際、このホテル周辺の登山道で出会った登山者はわずか1組だけでした・・。後で説明しますが、良い登山道だと思ったのにもったいですね。まあゴンドラも運行していないと、わざわざここまで来る登山者はいないのでしょう。。

歩いた登山ルート標準コースタイム
私が歩いた登山ルートは、パルコール嬬恋ホテルから四阿山を経由しての根子岳までの往復です。
下の地図に歩いた登山ルートを示しますが、パルコール嬬恋ホテルから浦倉山までは、行きはゴンドラ・リフト沿いの小道を歩き、帰りは野地平経由の登山道を歩きました。ゴンドラ・リフト沿いの小道は眺めが良くて爽快でした。
上の地図の登山ルート標準コースタイムは以下の通りです。コースタイム11時間と結構長いので、体力に自信がなければ、ゴンドラを利用したり、四阿山までの往復にとどめたりするのがよいでしょう。
パルコール嬬恋ホテル→根子岳:5時間45分
根子岳~パルコール嬬恋ホテル:5時間10分
※パルコール嬬恋ホテルから浦倉山まで行き2時間5分、帰りは1時間40分
※四阿山から根子岳は、行き帰りともに1時間40分
四阿山と根子岳登山した様子
パルコール嬬恋ホテルから四阿山~根子岳を往復登山した様子を紹介します。
ゴンドラの横に沿って登って行った

ホテル前の駐車場を出発し、ホテル右横にあるゴンドラ乗り場を見ながら踏み跡をたどっていきました。特に案内板とかなかったので、道なりに登っていきました。

登山地図にある登山道は、途中で右にそれて野地平という場所を経由して浦倉山へ向かうのですが、そこへ向かう道はこの時点では分からなかったです・・。帰りに浦倉山から下山する際にそのルートを見つけることができたので、後で解説します。


非常に歩きやすい道で、天気が良くて眺めが良かったので、気持ちよく歩くことができました。
途中で後ろを振り返ると、遠くに見える山々が綺麗でした。

途中下の写真のようなスキー場施設を経由しました。

そのまま上がっていくと登山道に合流しました。

浦倉山に立ち寄った後四阿山を目指す
通常の登山道であれば浦倉山を経由するはずですが、上の写真の場所は浦倉山を過ぎてしまっていることに気が付きました。
私は一旦四阿山と反対方向へ歩き、浦倉山へ立ち寄りました。しかしせっかく立ち寄った浦倉山ですが、木々に囲まれて特に眺望はありませんでした。。

そして浦倉山から四阿山方面へ向いて歩きました。
途中下の写真の建物と合流したのですが、これがゴンドラ山頂駅だと思われます。ここから標準コースタイム約1時間半で四阿山山頂へ行けるので、ゴンドラを利用すると登山はかなり楽になると思います。

四阿山へ向かう登山道はよく整備されて歩きやすく、急坂はなく緩やかな登りで疲れにくかったです。


そしてあっさりと四阿山の山頂に到着しました。

山頂からの景色は素晴らしく、特に、ずらっと並んだ北アルプスの山々の景観は圧巻でした。7月なのにまだ雪がたくさん残っている様子がよく分かりました。

反対側の群馬方面は残念ながら雲が多くてあまり多くは眺望できませんが、雲の様子が綺麗でした。

下の写真で手前に見える山が根子岳で、大草原の斜面を走る登山道は、歩きたくなる意欲を沸かせてくれました。少し遠そうですが、時間もあるので根子岳へ登ることにしました。

四阿山から一旦下って根子岳を目指す
四阿山から根子岳へ向かうには、標高差300mくらいを一旦下り、再び200mほど登り返すことになります。四阿山から往復するのはなかなかきついので、覚悟が必要でしょう。。
下の写真は、四阿山から下る途中に見た根子岳です。

下の写真は、標高差300m下った鞍部から見上げる根子岳です。草原にポツポツと木が生えている様子が独特な景観です。山の形も綺麗な三角形で美しいです。四阿山は百名山ですが根子岳の方がふさわしい、と聞いたことありますが、まさにその通りだと思いました。

気持ちの良い草原の道を登ると、山頂へ到着しました。山頂は360度の大展望で素晴らしかったです。四阿山山頂では木々があって360度の眺望ではないですが、根子岳の方は遮るものがほぼないです!北アルプスがよく見えましたが、妙高・火打、八ヶ岳、富士山なども見えるそうです。

広々とした山頂は休憩するのに最適で、四阿山山頂よりもゆったりとできます。



360度どこを見ても綺麗な景色でした。雲が多い日でしたが、上空は青空なので雲海のように見えて逆に美しかったです。
再び四阿山を通って下山する
根子岳の景色を堪能した後、再び下って四阿山へ登り、そこから登山口のパルコール嬬恋ホテルへ戻りました。

再び四阿山の山頂を経由しました。

野地平経由で下山した
行きはパルコール嬬恋スキー場内の小道を歩きましたが、下りは正規の登山道をみつけることができ、野地平を経由して下山しました。
登山道は背の高い笹の間を縫うように走っており、残念ながら全く周囲の景観は見えない状態でした。スキー場内の道は素晴らしい景観でしたが、ここの登山道はちょっとつまらないですね。。しょうがないことですが。
笹が生い茂っていましたが、この日は翌週のゴンドラ開通に向けてだと思いますが、笹の狩り払いをやっている作業員の方がいました。ありがたいことです。

ひたすら下山していくと野知平に到着しました。


野知平は湿原とのことですが、完全に干あがって水の気配はありませんでした・・。ですが緑が綺麗な空間に木道が敷設されており、そこを歩くとなんとも美しい景観を楽しめました。
7月上旬は新緑真っ盛りで、青空とともに本当に気持ちが良かったです。



野知平を後にして少し歩くと、スキー場の道と合流しました。そこから少し歩くと駐車場に到着し、下山が完了しました。

スキー場の歩道に綺麗な花が咲いていたので載せておきます。


パルコール嬬恋ホテルまで戻ってきました。出発時と変わらず閑散としていました。。

【参考】野地平経由の登山道への行き方
私はパルコール嬬恋ホテルから浦倉山へ登る際、スキー場内の小道を歩いたのですが、そこは正規の登山ルートでないため、実際の登山ルートへ行く方法を写真で紹介しておきます。案内板とかなく、登るときには見つけられなかったですが、下る際に分かりました。
ゴンドラ乗り場からスキー場内の小道を200m~300mたどっていくと、下の写真のような木々がこんもりした場所があるので、そこを右に入ると野知平を経由した登山道と合流できます。右へ入る道さえわかれば、踏み跡があるのでわかるでしょう。


まとめ
新緑が美しい好天の日に、パルコール嬬恋ホテルから四阿山と根子岳を往復登山して絶景を堪能したので、その様子をまとめました。
四阿山と根子岳はなだらかな登山道で歩きやすく、緑が多いので景観も美しく、手軽に絶景を楽しめる山として是非ともおすすめしたいです。特に、日本百名山は四阿山ですが、より美しいと感じられる根子岳の方の登山をおすすめしたいです。私が今回歩いたルート以外に、よりコースタイムが短くて済む、四阿山と根子岳両方を経由した周回ルート(菅平牧場出発)もあります。
また、パルコール嬬恋ホテルからゴンドラを使えば、かなり楽に登山することができるので、体力に自信がない方は利用を検討するとよいでしょう。