Trip by myself

ツアーを使わず、すべて自分でアレンジ!普通のサラリーマンが行った、"格安旅行"(主にアジア圏)で見た景色や、旅行ノウハウを紹介!最近ハマりだしたキャンプ、久々に再開した登山の情報も紹介!

【立山黒部】扇沢から室堂へできるだけ安く行く方法(登山の必要あり)

長野県側から立山の室堂(富山)へ行く方法

立山の室堂は、北アルプスの雄大な山々を間近に見られる富山県の山岳スポットで、夏には多くの登山者や観光客が訪れます。

立山室堂へ行くには、自家用車で直接行くことはできず、富山側の立山駅や、長野側の扇沢駅の駐車場に車を停めて、立山黒部アルペンルートのケーブルカー、バス、ロープウェイなどいろんな乗り物を乗り継いで行く必要があります。

私のように北関東在住の場合、富山県より東側に位置するため、室堂へアクセスするには、長野県大町市の扇沢駅から立山黒部アルペンルートを利用して向かうことになります。

扇沢駅へ車で行く場合は有料/無料の駐車場に停め、バスで行く場合は信濃大町駅から発着しています。

扇沢駅からは、以下の地図のように、電気バス→徒歩→ケーブルカー→ロープウェイ→トロリーバスでようやく室堂に到着します。途中、一大観光地となっている黒部湖と黒部ダムも経由します。

立山黒部アルペンルートの料金が高い・・

私は登山が趣味で、夏には北アルプスの山によく登りますが、これまで北関東から立山室堂へ行くには、一旦富山県まで行ってそこから向かうものだと思っており、立山方面の山は避けてきました。ですが最近になって、地図を見ていると、長野県側から立山黒部アルペンルートを利用し、山を抜けて室堂まで辿りつけることが分かり、これなら立山方面も登山できると思い、計画しました。それにしても、こんな奥深い山々にトンネルを作り、そこに交通手段を設けるなんて、すごいなと思いました。

立山の登山を計画しようと調べたところ、立山黒部アルペンルートはなかなか料金高いですね・・。扇沢駅から室堂の往復で12,300円もします。今後何度か立山エリアを訪れていろんな山に登る予定ですが、1回の登山にこの金額は払えないと思い、登山ルートをよく考え、できる限り立山黒部アルペンルートの料金を抑えて室堂へアクセスするルートをみつけました。

本記事では、扇沢から室堂へ安く行くためのルート、私が行ったときのルートの様子を紹介したいと思います。

私が立山を登山したのは、2024年8月2日から2泊3日で、扇沢から雄山、雷鳥沢キャンプ場、五色ヶ原などを縦走しました。

扇沢から室堂へ安くアクセスする方法(登山道利用)

扇沢から室堂へ安くアクセスするには、以下の立山黒部アルペンルートの各駅のうち、一部区間だけ利用します。扇沢から立山室堂まですべて徒歩で行けば一番安いのですが、針ノ木峠や針ノ木谷を超える必要があり、あまりに時間かかりすぎるので現実的ではありません。

  扇沢 - 黒部ダム - 黒部平 - 大観峰 - 室堂

以下の3パターンで、扇沢から室堂までの往復料金12,300円に対してどれだけ安くなるか、計算してみました。

※料金情報は、2024年8月時点のものです。

①扇沢から黒部ダムまで乗り物を利用

まず、扇沢から黒部ダムの区間だけ電気バスを利用する方法です。

黒部ダムまで行けば、ちゃんと登山道がついており、室堂まで行くことができます。

そこそこ歩行時間があるので、雷鳥沢キャンプ場で1泊するなどの計画になると思います。

  • コストダウン額:往復で9,100円(12,300円→3,200円)
  • 標準コースタイム(黒部ダム⇔室堂山荘):行きは6時間45分、帰りは4時間50分

登山ルートは以下です。スタートは黒部ダム、ゴールは室堂山荘です。

雄山(日本百名山)をはじめとする立山三山の稜線を目指して歩きます。基本樹林帯の中を歩きますが、沢を横切る際や、最後の詰めは雄大な景色を見ながら歩くことができます。

②行きは扇沢から黒部平、帰りは黒部ダムから扇沢まで乗り物を利用

黒部ダムから室堂まですべて歩きだと、登りがきついので、①の方法に対し、黒部ダムから黒部平まではケーブルカーを使うと、体力の消耗を緩和することができます。この区間は、ケーブルカーで標高400mも上がってくれるので、時間的にも体力的にも大きいです。

私は当初、黒部ダムから室堂まで歩こうとしていましたが、結局誘惑に負けて、ケーブルカー1,150円分を払って黒部平まで行き、そこから室堂(雷鳥沢キャンプ場)を目指しました。。

  • コストダウン額:往復で7950円(12,300円→4,350円)
  • 標準コースタイム(黒部平→室堂山荘、室堂山荘→黒部ダム):行きは4時間40分、帰りは4時間50分

登山ルートは以下です。スタートは黒部平、ゴールは室堂山荘です。

帰りは黒部平から黒部ダムまで歩きますが、下るだけなので、歩いてもそんなに負担でないと思います。

③扇沢から室堂の片道だけ乗り物を利用

扇沢から室堂まで、行きか帰りのどちらかだけ乗り物を利用するというのも、ありだと思います。朝一に一気に室堂まで行き、そこから雄山に登って黒部ダムまで戻ってくると、日帰りで行くことができます。上の①や②の方法だと行きと帰りでコースタイムが長いので、宿泊が必要になるかもしれませんが、この方法であれば日帰りも可能だと思います。

  • コストダウン額:往復で5,450円(12,300円→6,850円)
  • 標準コースタイム:行きの場合6時間45分、帰りの場合4時間50分

実際に歩いた様子

私が2024年8月に歩いたときの様子を紹介したいと思います。

私が行った時は、扇沢~黒部ダム~黒部平まで立山黒部アルペンルートの乗り物を利用しました。

下のルート図のように、黒部平から歩き始め、一の越山荘から室堂へすぐに下らず、立山三山から真砂岳まで歩き、雷鳥沢キャンプ場まで行きました。テント泊の荷物を背負って雄山へ登ってその後縦走するのはなかなかきつかったですが、なんとか15時半くらいには雷鳥沢キャンプ場へたどり着くことができました。

最初に電気バスで扇沢から黒部ダムへ向かいました。8時半扇沢出発で、この日は7割くらい観光客で、3割くらいが登山者でした。

黒部ダムは初めて来たのですが、ダムの放水が圧巻でした!夏の時期は観光客のために放水しているそうですが、本当迫力あって見ごたえありました。

立山を見上げなら、ダムを横切ります。

そして、黒部平へ向かうケーブルカーに乗り込みました。

黒部平からは、登山道に入ります。ここには登山道を示す目立った標識はないですが、なんとなく立山側へ続く小道があったので入っていきました。

すると、以下の標識を見つけ、登山道で間違いないことを確認しました。まずは東一ノ越までの登っていきます。

登山道は思ったより荒れていました。。道は分かりますが、成長した笹薮が結構邪魔してきます。

このルートを歩く人はあまりいないのかもしれません・・。実際、私外に黒部平から登山道へ入る人は他にいなかったし、ここから一ノ越山荘へ到着するまで出会った登山者は2人だけでした。。

とはいえ、多少歩きにくいですが、危険箇所は特になく、普通の登山道です。

下の写真のように、何度か(3回くらい?)沢を横切るのでその都度、水を補給することができ、これが非常に冷たくておいしかったです。

また、岩にはペンキマークをつけてあるので、それを頼りに歩けば迷うことはありません。

立山と反対方向に目を向けると、針の木岳方面の稜線が綺麗に見えます。

途中から樹林帯を抜けて、日差しのもと歩きました。少しずつ高度を上げ、だんだんと稜線に近くなっていくのが分かります。

右に目を向けると、下の写真のように、大観峰駅の建物が見えました。

雄山の稜線上にある、東一ノ越に到着しました。素晴らしい景色です。向かい側に、獅子岳、鬼岳、龍王岳が並んだ稜線が見え、絶景です。

東一ノ越からは、一ノ越山荘へ向かって緩やかな登りを行きます。

道中は多種多様な高山植物が咲き乱れており、見どころ満載です。前を見れば一ノ越山荘へ続く稜線の風景、左を見れば獅子岳、鬼岳、龍王岳の稜線の風景で、どこを見ても美しい景観でした。

ようやく一ノ越山荘に到着しました。ここから少し下れば、上で示した登山ルートのゴールである室堂山荘にコースタイム40分で到着します。一ノ越山荘からは、雷鳥沢キャンプ場にも1時間で行けます。

私はまだ余力があったので、雄山の山頂を目指しました。

雄山への道は急坂で、ここまでの疲れと重い荷物でなかなかしんどかったです。

他の登山者を見ると、ザックなしの方や、スニーカーで登る方などがおり、恐らく、室堂から軽装で雄山だけ登って下りるだけなのでしょう。室堂バスターミナルから山頂まで2時間程度なので、雄山だけ登って日帰りで帰るという楽しみ方もできそうすね。

下の写真は雄山山頂付近です。山頂の神社へ行くには有料(700円、祈祷料込)とのことで、パスしました。

下の写真が室堂全体で、素晴らしい景色です。

雄山から先、大汝山と富士の折立のそれぞれの山頂も行きました。

遠くに険しい剣岳の山頂も見えました。

富士ノ折立山頂です。ここら辺まで来ると、雄山あたりと比べて登山者の数もかなり減っていました。

富士ノ折立からさらに歩いて真砂岳へ立ち寄り、雷鳥沢キャンプ場へ向けて下りました。この下りが結構つらかったです。。
そして、無事に雷鳥沢キャンプ場へ到着し、立山三山の絶景を眺めながら、テント泊を楽しみました。

雷鳥沢キャンプ場は前から気になっていましたが、噂通り素晴らしいキャンプ場でした。これだけの素晴らしい眺めの中キャンプできる場所は、日本中探しても他にないのではないかと思います。

翌日は雷鳥沢キャンプ場から、室堂山→浄土山→龍王岳→鬼岳→獅子岳を縦走して、五色ヶ原へ行きました。五色ヶ原キャンプ場に泊まり、翌日は黒部湖沿いを歩いて黒部ダムへ戻りました。初めての立山でしたが、非常に充実した2泊3日の山行となりました。

結果、立山黒部アルペンルートにかかった費用は、上で紹介した②のルートと同じ料金の4,350円(扇沢から黒部平の片道分のみ)で済みました。

まとめ

立山エリアの観光・登山のため、長野県側の扇沢から、富山県側の室堂へできるだけ安くアクセスするための登山ルートと私が歩いた様子を紹介しました。

お金を払えば短時間で楽に室堂へ行けますが、登山道を歩くことで他の人が見られない景色に出会え、節約にもなるので、メリットが大きいと思います。黒部ダムから東一ノ越への登山道は利用者が少ないせいか、笹が伸びてしまっていますが、普段登山する人なら問題なく歩けます。

富山より東側の関東甲信越在住で、立山室堂周辺を登山する方は、是非とも本記事で紹介した登山ルートで室堂へアクセスすることをおすすめします。