
信越トレイルとは?
信越トレイルは、新潟県と長野県の県境にあたる、斑尾山から苗場山までの全長110kmにもおよぶロングトレイルです。ロングトレイルとは、登山道、遊歩道、車道の歩道など、人が歩くことができる道の総称です。
信越トレイルの区間は、関田山脈など山々が連なっているため、ほとんど登山道を歩くことになりますが、生活道路も含まれており、自然だけでなく人々の生活風景や歴史を感じながら歩くことができます。
信越トレイルは、信越トレイルクラブというNPO法人が維持管理しており、地元住民やボランティアによって登山道が整備されています。民間団体によって作られたロングトレイルとしては、信越トレイルが日本で初めてとのことです。ありがたいことです。

信越トレイルの全体像は以下の地図で表されています。
斑尾山から森宮之原駅付近まではほぼ登山道、そこから秋山郷(栄村)まで車道沿いを歩き、最後に苗場山頂まで登山道となっており、7割くらい登山道を歩く感じかなと思います。
引用元:信越トレイル
信越トレイルのセクション4~7をテント泊の2泊3日で計画
私は去年からずっと信越トレイルを歩きたいと思っていたのですが、車でアクセスした時の入山口と下山口に悩み、当初なかなか計画を立てられませんでした。
今年になって地図をよくよく見ると、JRを利用すると2泊3日でちょうど信越トレイルのハイライトとなるルートを歩けそうなことが分かり、今回決行しました。
2泊3日のトレイル歩きのポイントは以下です。
- 車は森宮野原駅に駐車する
- JRで森宮野原駅から戸狩野沢温泉駅へ移動し、そこから歩き始める
- 光ヶ原高原キャンプ場と野々海テントサイトの2ヶ所でテント泊する
テント泊の荷物を背負い、長いコースタイムのルートを歩くのは大変かもしれませんが、なんとかいけるだろうと思い、2025年6月28日(土)から30日(月)までの2泊3日で歩いてきました。
信越トレイルは積雪が多く、6月上旬にようやくこのエリアの道路が開通したばかりで、私が行った2025年6月28日からの3日間は、梅雨の時期の晴れ間で新緑も楽しめ、ちょうど良い時期だったと思います。ただ、標高が低いのと猛暑の影響で、歩くには暑すぎるなと感じましたが。。
私が歩いたルート
私が歩いたルートを以下で、地図にも示します。
- 1日目:JR森宮野原駅~JR戸狩野沢温泉駅~光ヶ原高原キャンプ場(テント泊)
- 2日目:光ヶ原高原キャンプ場~野々宮高原テントサイト(テント泊)
- 3日目:野々宮高原テントサイト~森宮野原駅
電車を活用することで、駐車した場所へ下山できるようにルートを組むことができました。ただし標準コースタイムは以下のように結構長く、テント泊の荷物を背負って歩くのはなかなか大変でした。。
- 1日目:8時間
- 2日目:9時間15分
- 3日目:5時間15分
事前に整備協力金とテントサイトの予約・支払いをした
信越トレイルは一定区間ごとにテントサイトが整備されており、いずれもHPからあらかじめ予約と支払いができるようになっています。むしろ、テントサイトは管理人はいないので、事前にウェブから支払いまで済ませておいた方がよいでしょう。ただこの事前支払い制だと、天候や体調不良による予定変更に対応できないのが不便かなと思いました。。
私は前日に野々海高原テントサイトを予約しました。光ヶ原高原キャンプ場も予約しようとしたのですが、前日は受付終了していたようで、当日管理人にお金を払いしました。
またHPによると、信越トレイル維持管理のための協力金を募っており、1回入山するたびに1,000円以上払ってほしいとのことで、それも前日に手続きしました。後日謝礼として、オリジナルのステッカーとタグが送られてきました。
信越トレイルを2泊3日で歩いた様子を紹介
6月28日(土)から2泊3日で信越トレイルのハイライトとなるルートを歩いた様子を、以下に紹介します。
1日目 (JR森宮之原駅~JR戸狩野沢温泉駅~光ヶ原高原キャンプ場)
初日は早朝にJR森宮野原駅へマイカーを駐車し、06:15発→06:56着で戸狩野沢温泉駅へ向かいました。
JR森宮野原駅前に駐車スペースがあり、無料開放されており、問題なく駐車できました。ここは昔7m以上の積雪を記録した日本最高積雪地点とのことで、立派な標識が目立っていました。

電車は私以外の客は一人しかおらず、田舎の路線であることを感じさせられました。Suicaなどの電子マネーは使えず、切符の販売機もなく、料金は戸狩野沢温泉駅の運賃箱に入れました。両替機は電車内にあり、JRなのにローカルバスみたいな乗り方で新鮮でした。

戸狩野沢温泉駅を降りたら、戸狩温泉スキー場にある星降るキャンプ場までひたすら約5kmの車道歩きです。

星降るキャンプ場に到着し、ここにある水場で水を汲んでスキー場のリフトと並行した道を登っていきました。


スキー場内のルートから離れて登山道に入ると、下の写真のような小道を歩きます。草ぼうぼうで道が不明瞭な箇所がいくつかありました・・。邪魔な草と強い陽ざしに急な傾斜があいまって、体力を奪われました。

仏ヶ峰山頂に到着しました。残念ながら眺望はなく、山頂標識もなく、三角点に山名が書いてあるだけでした。
この信越トレイル全体を通してそうですが、いくつも山頂を経由するものの、いずれも眺望がよくありません・・。眺めを楽しむより、ただひたすら山道を歩くことを楽しむと考えた方がよいかもしれません。

眺めが良い場所は少ないですが、登山道は基本的に下の写真のようなブナ林が林立する中を歩くので、非常に美して気持ち良かったです。

たまに、登山道の合間から下の写真のような周囲の山々の眺望があり、ラッキーな感覚を味わえました。

鍋倉山頂に到着しました。ここも眺望はありませんでした。

平地は30℃越えで、信越トレイルは標高1,000m付近しかないので、歩いていると非常に暑いですが、残雪はたくさんありました。さすが豪雪地帯です。

関田峠近くの茶屋池を経由しました。木々の合間から見える茶屋池は綺麗でした。
茶屋池のそばには立派な休憩所があるようでしたが、早く宿泊先の光ヶ原高原キャンプ場へ行きたかったので、立ち寄りませんでした。

茶屋池を過ぎ、ブナ林が密集する遊歩道を歩きました。美しいブナ林が、疲れた体を癒してくれました。

その後関田峠を通過しました。ここは交通の要所だったそうで、この道を行くと上越市へ抜けられます。

光ヶ原高原キャンプ場でテント泊
関田峠を下って行き、光ヶ原高原キャンプ場へ到着しました。

光ヶ原高原キャンプ場は、以前は下の立派な建物で泊まれていましたが、老朽化で今はキャンプ場のみの運営となっているようです。

光ヶ原高原キャンプ場の基本情報は以下です。
- 料金:1泊1人2,000円(2025年7月現在の料金)
- 開設期間:6月中旬〜10月下旬
- トイレ:あり
- 水場:あり
- 張数:広大に張るスペースがあったので、100張以上はいけそうです
- 予約の要否:Webから必要、土日は当日も受付可
- docomo電波:テント場は電波なしですが、展望台は通じました。
土日は管理人常駐しているとのことで、私が行った6/28土曜日は親切な管理人が対応してくれました。

バンガローもありましたが、宿泊利用はできないようです。

トイレです。綺麗に清掃されていました。

炊事場は屋根付きで、水は水質検査済と管理人が言っていたので、安心して利用できました。

私がテントを張った様子です。この日は土曜日だというのに、他に利用者はおらず、私一人だけでした。信越トレイルは良いところなので、もっと人が来てもいいような気がしました。。管理人によると、翌日は小学生の団体50人が来るとのことでしたが。
疲れていたので、早々と夜8時くらいからぐっすりと眠ることができました。


夕飯はレトルトパスタを食べました。

テントサイトから5分ほど歩くと、展望台へ行くことができました。
ここからは妙高山、火打山をはじめとした、新潟、長野の山々を一望し、絶景を堪能することができました。あと、テントサイトでは繋がらなかった電波(docomo)もここではつながり、スマホを見ながらゆっくりと寛げました。

雲海に浮かぶ、妙高山と火打山の景色が素晴らしかったです。


下の写真は、もともと宿泊施設となっていた建物付近から撮った風景です。ここからも素晴らしい眺めでした。

下の写真の案内板に、ここから見える山の一覧が書かれています。

2日目 (光ヶ原高原キャンプ場~野々海高原テントサイト)
翌朝は3時台にラーメンで朝食を済ませ、4時くらいにキャンプ場を出発しました。

光ヶ原高原キャンプ場から信越トレイルへ戻るには、下の写真のテントサイトそばにある小道を登って行きます。看板とかなくて分かりにくかったです。。

光ヶ原高原キャンプ場から野々海高原テントサイトまで、6か所の峠を越える必要がありました。標高差自体の変化は少ないですが、細かなアップダウンがたくさんあり、暑いしテント泊の荷物を背負っているため、非常に疲れました。野々海高原テントサイトへ着くころにはへとへとになっていました。。
この日は日曜日だというのに、一人も他の登山者に会いませんでした。信越トレイルを歩くにはいい季節だと思うのですが、アクセスが悪くて人気がないんですかね。。
キャンプ場を少し登ると、まずは下の写真の梨草峠を通過しました。

妙高・火打山方面の景色が、たまに木々の合間から見えました。

牧峠を通過しました。

綺麗なブナ林を歩くときは癒されます。

宇津ノ俣峠を通過しました。

このへんの道は結構荒れており、基本的に草が多く、木が登山道を塞いでいたり、低木の枝が頭に何度もぶつかったりで、非常に歩きにくかったです。もう少し歩く人がいれば手入れされるのかもしれませんが、仕方ないですね。

このような木をよっこらっしょと越えるだけで、地味に体力を奪われました。


登山道からたまに見える妙高山、火打山は綺麗でした。

伏野峠に到着し、休憩を取りました。暑くてヘロヘロになり、歩く気力がかなり失せていました。。

重い腰を上げて歩き、須川峠を通過しました。


途中、西マド湿原という綺麗な湖を見ることができました。

ようやく野々海峠に到着しました。ここから長野県最北地点へ行けるのですが、もう登る気力はないので、車道を歩いて野々海高原テントサイトへ向かいました。

蒸し暑いのに、残雪が見事でした。

野々海高原テントサイトでテント泊
ようやくの思いで野々海高原テントサイトへ到着し、休憩をとって落ち着くことができました。

野々海高原テントサイトの基本情報は以下です。
- 料金:1泊1人1,500円(2025年7月現在の料金)
- 開設期間:7月上旬~10月下旬(私は6月末に利用しました)
- トイレ:あり
- 水場:あり(煮沸必要ですが、私はそのまま飲みました)
- 張数:20張
- 予約の要否:Webから必要(管理人不在)
- docomo電波:わずかに通じましたが、途切れ途切れで厳しかったです・・

水場は近くの沢水を引いているので煮沸してくださいとのことでした。私はガバガバと飲みましたが、特にお腹を壊すことはありませんでした。


下の写真はトイレと避難スペースがある建物です。まだ作ったばかりのようで、立派な建物でした。トイレ(洋式)も綺麗で良かったのですが、電気がつきませんでした。公式には7月からの利用開始なので、6月だと電気は利用できないのかもしれません。。

私がテントを張った様子です。管理人もいないし、他に宿泊している人もおらず、静かに過ごすことができました。


夕飯は前日と同様にレトルトパスタです。

野々海高原テントサイトから約1kmくらい歩くと、野々海湖の素晴らしい景観を見ることができました。


野々海高原テントサイトのそばには、小規模の湿原が広がっており、尾瀬を思わせてくれる風景を堪能できました。ここには水芭蕉が咲き乱れ、わらびが生えており、いかにも山らしい植生です。何組か山菜採りに来ている人もいました。





3日目 (野々海高原テントサイト~JR森宮之原駅)
3日目は下山日で、この日も朝3時台に前日と同じくラーメンを食べ、4時くらいにはテントサイトを後にしました。

野々海高原テントサイトから、三方岳(下の写真)と天水山を経由し、森宮野原駅へ向かいました。

天水山に到着しました。天水山は松之山温泉や無印良品キャンプ場に近い場所へ位置し、ブナ林が多いことで有名な山です。ブナ林の多さから、このへんが信越トレイルのハイライトとなるのかなと勝手に思っています。ですが、他に登山者は見かけません・・。

このへんのブナの密集度はすごく、それらが朝日に照らされて、素晴らしい景観を生み出してくれました。
行ったことないですが、白神山地のブナ林もこんな感じなのですかね。




山を下ってくると、新潟県栄村の集落が見え始めました。

天水山登山口までおりてくると、ここからは里山の絶景の連続でした。



高台に並ぶ棚田は、まるで宙に浮いているようで、素晴らしい景色でした。田植えがちょうど終わった季節で、水を張った田んぼは青空に生えました。



田んぼの小道をぬって歩くのですが、下の道標があるものの、分かれ道がたくさんあって迷いやすかったです。

7時半くらいに森宮野原駅に到着しました。

2日前に駐車した自分の車があることに安堵し、無事に帰宅することができました。

信越トレイルを歩いた感想
信越トレイルを歩いた感想ですが、テント泊で歩くにはきついものの、静かなブナ林の登山道に癒され、黙々と歩くことで仕事やプライベートのストレスを発散することができたのが良かったです。
有名な山は登山者だらけなのですが、信越トレイルでは初日に3組出会ったくらいで、2日目と3日目は誰とも会いませんでした。これだけ自分の世界に入り込んで歩けるルートはなかなかないかなと思いました。
一方、登山道のブナ林は綺麗ですが、全体を通して登山道や経由するピークから周囲の山々の眺望はあまり望めず、風もあまり吹かず熱のこもった樹林帯歩きは正直きつかったです・・。
虫がたくさんいて顔にまとわりつくのが邪魔で、さらに、ちょうど頭の位置にくる低木がたくさんあり、何度も頭をぶつけて痛かったのもイライラさせられました・・。

歩く人も少ないし、民間団体による登山道の整備は大変かもしれませんが、協力金を支払ったので是非とも、もう少し整備してくれたらなと思いました。登山道整備のイベントも実施されているようなので、私もいずれは参加しようかなとも思いました。
なお、信越トレイルの適期は6月中旬から11月上旬までですが、今回6月末でも非常に暑かったです。当然7月~9月も新潟は暑そうなので、実際快適に歩けそうなのは10月~11月上旬の紅葉あたりの非常に短い期間だけなのかもしれません。その意味で、信越トレイルを歩くのは、非常に価値があると言えそうです。
景色が良かったエリア4選を紹介
眺望が少ない信越トレイルのルート中でも、美しい景観を楽しめたスポットを4選にしてまとめておこうと思います。
1. 光ヶ原高原キャンプ場の展望台からの眺め
光ヶ原高原キャンプ場にある展望台からは、日本百名山の火打山と妙高山をはじめとした周囲の山々を見渡すことができました。ちょうど私が行ったときは雲海ができており、素晴らしい景観を見せてくれました。

2. 野々海高原テントサイトの湿原
野々海高原テントサイトそばにある湿原が綺麗でした。規模は小さいですが、水芭蕉や蕨が生育しており、尾瀬を思い起こさせる景観が良かったです。

3. 天水山付近のブナ林
ルート全体を通してブナ林がありますが、特に天水山付近はブナが密集しており、その素晴らしい雰囲気に癒されました。

4. JR森宮野原駅近くの里山と棚田風景
天水山を下って登山道から抜けたところにある里山の棚田風景が素晴らしかったです。ちょうど田植えを終えたばかりの水を張った田んぼが朝日で輝く景観が美しく、高台にあるため、宙に浮いているような錯覚さえ感じられる風景に感動しました。

まとめ
信越トレイルのハイライトとなる関田山脈北部を2泊3日で歩いたので、ルートや歩いた様子や感想をまとめました。
ブナ林をはじめ、経由地や登山道の合間から見える周囲の景観に感動しながら、静かな登山道を黙々と自身と深く向き合いながら歩くことができました。
登山道は藪や倒木、低木によって歩きにくいと感じる場面が何度もありましたが、重い荷物を背負って最後まで歩くことができた達成感は印象に残るものでした。
私が歩いたように、長い距離を一気に歩かず、部分的に歩くセクションハイクもできるので、ブナ林の素晴らしさを味わうため、一度信越トレイルを訪れてみるこをおすすめします。
