Trip by myself

ツアーを使わず、すべて自分でアレンジ!普通のサラリーマンが行った、"格安旅行"(主にアジア圏)で見た景色や、旅行ノウハウを紹介!最近ハマりだしたキャンプ、久々に再開した登山の情報も紹介!

【ブログ】平標山の家のテント場の様子と泊まった感想を紹介

谷川岳主脈縦走コース端にある山小屋"平標山の家"

群馬と新潟の県境に数々の山が並ぶ谷川連峰において、谷川岳から平標山までのハイライトとなる登山ルートは、谷川岳主脈縦走コースと呼ばれています。

そのコースの左端に平標山があります。百名山や二百名山となってはいませんが、なだらかな山容、360℃の大展望、数々の高山植物が見られる、魅力的な山です。特に6月はハクサンイチゲやハクサンコザクラが咲き乱れ、多くの人が訪れます。

その平標山の山頂から少し下ったところにあるのが平標山の家です。平標山の家は、食事を提供する営業小屋と、素泊まりだけの避難小屋と2つの建物が並んでいます。いずれも有料で宿泊することができます。

穴場的なテント場

そして小屋の両サイドの空スペースに、テント場があります。テント場はこぢんまりとしており、張数は最大8張程度です。

張数は少ないですが、このテント場が混雑するのは、HPによると花の季節と6月土日と海の日連休くらいだそうです。普段の土日はたいてい空いているそうです。

私が行った2024年5月の土日は快晴で絶好のテント泊日和でしたが、張数は3張でした。素晴らしいテント場ですが、穴場的なテント場なのかもしれません。私の持っている登山地図の山と高原地図"谷川岳"(2010年の古いものですが・・)には、平標山の家にテント場のマークがないので、それもあってあまり認識されていないのでしょう。

なお、谷川岳主脈縦走コース中は避難小屋が点在していますが、テント泊は禁止されているため、平標山の家は貴重なテント場でもあります。

平標山の家の行き方、3つの登山ルート

平標山の家へ行くには、主に3つのルートがあります。

1. 松手山・平標山経由

最もよく使われると思われるルートは、平標山登山口駐車場(有料600円)から松手山経由で平標山登頂後、平標山の家へ下るルートです。

松手山からの綺麗な景色を見ながら平標山山頂まで気持ちよく登れるので、こちらのルートが一番人気のようです。

コースタイム:3時間50分

2. 平元新道経由

2つ目は、平標山登山口駐車場から平標山の家へ直接向かうルートで、コースタイムが2時間25分と短く、アクセスが容易なのが特徴です。テント泊で重い荷物を持って行く場合、松手山・平標山経由のルートよりこっちの方がいいかもしれません。

コースタイム:2時間25分

3. 三国山、大源太山経由

3つ目は、三国峠登山口から群馬と新潟県の県境の三国峠、三国山、そして大源太山を経由して平標山の家へ向かうルートです。こちらはコースタイムが少し長くなるので、テント泊の荷物を持って行くなら、多少体力のある方向けでしょう。なお、苗場スキー場近くの浅貝地区と赤谷林道から大源太山へ向かうルートもありますが、いずれもコースタイム長めです。

コースタイム:4時間20分

私が平標山の家へ行ったときは、三国峠登山口に車を停めてこのルートを利用しました。松手山・平標山経由や平元新道ルートはなんとなく登山者が多そうでしたが、こちらは静かなルートで、あまり他の登山者と会いませんでした。

ですが、三国山や大源太山からは眺めが良く、静かに山登りを楽しみたい方にはおすすめしたいルートです。

下の写真は三国山へ登りで、木の階段が迫力あります。

下の写真は三国山山頂からの眺めです。

大源太山からの眺めは谷川連峰の稜線が良く見えて、素晴らしかったです。

平標山の家でテント泊した

私が平標山の家でテント泊をした様子を紹介したいと思います。2024年5月時点ですが、料金などの基本情報は以下となっています。6月だけ料金が割高なのは、冒頭で説明したように、お花が綺麗な時期で多くの方が訪れるためのようです。

  • 料金:1人1,000円(中学生まで無料) ※6月第2,3土曜日のみ1人2000円+1張500円
  • 張数:8張
  • 宿泊可能時期:4月下旬~10月下旬
  • 予約:不要

テント場からの景色が素晴らしい

テント場は山小屋の北側と南側の両サイドにあり、私が北側の平標山が見える北側に張りました。

下の写真のように、テント場からは谷川連峰の稜線が見え、素晴らしい眺めで本当に気持ち良かったです。これまでいろんな山のテント場に泊まりましたが、ここまで良い眺めのテント場は他になかなかないと思います。

私が行ったのは2024年5月の天気の良い土日ですが、合計3張で、そんなに広くないものの、割と空いているなと思いました。こんな素晴らしいテント場なのに、もったいないとさえ感じました。

北側のテント場は他に1張のみで、広々と利用することができました。

南側のテント場には、下の写真のように板敷きも利用することができます。ですが、こっちは他の登山者が休憩場所として利用するので、落ち着かないと思いました。。

トイレ・水場の設備

下の写真はトイレです。一般の方は協力金として100円必要ですが、宿泊者はテント泊の料金に含まれています。

トレイは綺麗に清掃されており、洋式もあるし、自動点灯のライトまであり、快適でした。

こちらは仙手清水と名付けられた水場です。冷たくて本当においしかったです。

ずっと出っぱなしで、宿泊者ではなくても利用可能とのことです。

オーナーが感じよい

平標山の家は若い夫婦が経営していますが、非常に家庭的な雰囲気で愛想がよく、北アルプスや南アルプスのような、忙しくそうで商業的な山小屋とは雰囲気が異なります。

私の中で、テント泊利用は小屋泊と比べて山小屋の売上に貢献していないため、少し申し訳なさを感じてしまうのですが、オーナー女将は受付時も笑顔で対応してくれて、こんなに丁寧に対応してくれたのは初めてだと思いました。

宿泊者が少ない日はサプライズのお風呂サービス!

さらに、かなりサプライズだったのが、まさかまさか無料でお風呂のサービスがあったのです。

夕方に水を汲みに行った際、女将さんからお風呂に入らないかと声をかけられ、ありがたく利用させてもらいました。タオルを持っていなかったのでその旨を話すと、なんとこれを使ってと言って、奥から出してくれたのです!テント泊なのにここまで良くしてもらったのは初めてで、感激してしまいました。

お風呂は宿泊者が少ないときだけ沸かすようです。宿泊者全員にひとりひとり声をかけてくれて、順番に入っていました。たまたま宿泊者が少なくラッキーな日であったものの、ここまでのサービス精神を持ったオーナーはなかなかいないと思います。

お風呂は以下の写真のようになっており、両サイドにブルーシートの目隠しがあります。脱いだ服の置き場も用意されています。

湯船は温度調節をしたり、水を足したりもできるようになっていました。

お風呂からは、下の写真の仙の倉山の絶景が見えます!これは贅沢すぎますね。

疲れた体が癒され、最高の気分に浸ることができました。

平標山・仙の倉山・エビス大黒ノ頭へ登った

三国峠登山口から出発して昼にテント場へ着いた後、平標山~仙の倉山~エビス大黒ノ頭までの往復を歩いたのでその様子も紹介しておこうと思います。

平標山の家からはひたすら階段を登り、山頂を目指します。なかなかの坂でしんどいですが、景観が素晴らしいです。

登る途中で後ろを振り返ると、平標山の家が小さく見え、さらに向こうへ連なる山々が美しいです。

平標山の山頂からの眺めは良く、苗場山や遠くに残雪の越後駒ケ岳などが見えます。

平標山からは二百名山の仙の倉山へ向かいます。仙の倉山は谷川連峰の中で最も標高が高く、谷川岳よりも高いのです。なだらかで平らな山容が和ませてくれます。

山頂からは360度の大展望で、いろんな山を見渡せます。

仙の倉山からは、今度は割と険しい山容のエビス大黒の頭へ向かいました。仙の倉山からエビス大黒避難小屋あたりまで標高300m分くらい下り、そこから登り返すのでなかなかきつかったです。。

エビス大黒の頭の山頂からの景色もやはり素晴らしかったです。仙の倉山から少し谷川岳へ方面へ近づき、万太郎山を近くに見ることができました。

この日は本当に天気が良く、残雪も相まって絶景の連続でした。この山域は7月や8月だと暑すぎるので、5月は涼しくてちょうど良いのではないかと思います。

まとめ

谷川連峰を眺めながらテント泊ができる平標山の家の行き方や、テント泊をした様子を紹介しました。

テント場からの眺めが素晴らしいだけでなく、テント泊登山者でさえ暖かく迎え入れてくれるホスピタリティが感じられるため、この山小屋のテント場は是非ともおすすめしたいテント場です。

テント場は北アルプスに多いですが、テント場自体は気持ち良いものの登山者が多すぎ、料金が高く、商業的な感じがするのがデメリットでした。平標山の家はそのようなデメリットを感じさせない素晴らしいテント場です。

登山口からコースタイムも短くてアクセスもしやすいので、今度は家族を連れて行ってみようと思います。