北アルプスの燕岳登山拠点の燕山荘でテント泊
北アルプスの燕岳は、日本百名山ではなく二百名山ですが、大人気の山で多くの登山者が訪れます。アクセスの良さ、眺めの良さ、整備された登山道、そして、充実した設備とおもてなしの山小屋"燕山荘"の存在が人気の理由のようです。燕山荘から燕岳までは、約1時間で往復できます。
燕山荘にはテント場があり、私はGWである2024年5月2日から1泊で、残雪の燕岳へ登るために燕山荘でテント泊したので、その感想を本記事にまとめたいと思います。
燕山荘テント場から見える風景
燕山荘は、北アルプス表銀座といわれる森林限界を超えた稜線上に位置するため、周囲の山々を360度見渡すことができるのが特徴です。
燕岳のテント場からも、燕岳、裏銀座縦走路、安曇野市街地方面などを見ることができます。北アルプスの綺麗な景色を見ながら、贅沢なテント泊を体験できます。
下の写真はテント場から見える裏銀座方面(鷲羽岳など)です。
反対側は、下の写真のように安曇野市街や八ヶ岳方面も見えます。
GWの燕山荘テント場の風景は一見の価値あり
そしてテント場から見る風景だけでなく、下の写真の燕山荘からテント場を見た風景がなんとも美しく、心に残る景観で一見の価値があります。燕岳を背景に、雪の上にカラフルなテントが並ぶ光景がなんとも絵になります。夏の時期よりテントの色が映えて強調しています。この景色を見るだけでも来た価値があったなと思いました。
燕山荘の行き方
燕山荘へ車で行くには、長野県安曇野市にある中房温泉近くの駐車場に停めます。中房温泉に近い順に第一、第二、第三駐車場までありますが、それぞれ65台、45台、30台しか停められません。以下の地図は第一駐車場の位置です。
バス行く場合は、穂高駅(周辺に無料駐車場あり)から中房温泉まで行けるので、そちらを利用するとよいでしょう。
下の写真の、中房温泉の燕岳登山口からの標準コースタイムは、途中休憩するのにベストな合戦小屋まで3時間、合戦小屋から燕山荘までは1時間10分です。また、燕山荘から燕岳までは往復で55分です。
第一駐車場から10分くらい歩くと中房温泉にある登山口に到着します。ここには登山者が利用できるトイレがあるので便利でした。また、登山届提出所もあります。
下の写真は合戦小屋で、この時点で雪道となっていました。ここらへんでアイゼンを装着する方が多かったですが、私はちょっと粘って、もう少し先の急坂の斜面で装着しました。合戦小屋では、飲み物やおしるこなどを販売していました。
燕山荘が見えるあたりになると見晴らしが良くなりました。雪山ですがGWのため、登山者はたくさんいました。
燕山荘に到着し、テント泊の受付をしました。テント場は燕山荘の目の前の敷地なので安心でした。
GWの燕山荘テント場は絶景だが条件悪い
テントは山荘前の広場の雪の上に張りました。保護のためか、雪がないところは張ってはダメとのことでした。
燕山荘テント場の基本情報は以下です。電波が届いてインターネットが使えたのは便利でした、さすが北アルプスです。
- 料金:1泊1人2,000円
- 開設期間:4月末から11月末、年末年始
- 張数:40張
- docomo電波:使える
- 予約の要否:必要(電話またはWeb予約)
GWのテント場は、以下のように水とトイレに関して条件が悪く感じました。。
水場がない、売店でミネラルウォーターを買うと高額
GWの残雪期は水が出ないとのことで、ミネラルウォーターが有料でした。1リットル200円くらいかなと思い、値段を聞くと、なんと500mlで500円とのことでした。。
ちょっと買えないなと思い、結局雪から水を作ることにしました。雪から作るとゴミが混ざるのが嫌なのですが、テント場の端の方の雪を掘り起こすと、割と綺麗な雪だったので、じゃんじゃん作りました。
山小屋内のトイレを利用する必要ある
トイレですが、残雪期は外のトイレが使えないとのことで、山荘内のトイレを利用する必要がありました。これがなかなか面倒で、一旦靴を脱いで中に入り、混雑しているため、待つ必要もありました。
燕山荘は人気の小屋なので期待していたのですが、水が高価で、トイレが山荘内だったのは少しがっかりでした。まあ仕方がないですが。
受付時には、以下のようなテント泊利用時の注意事項の紙をもらい、トイレや水に関しての注意事項の記載があります。
GWに燕山荘テント場で過ごした様子、感想
GWの燕山荘に私がテント泊した様子を紹介したいと思います。
冒頭でも説明しましたが、テント場は稜線上の八ヶ岳、燕岳、裏銀座など多くの山が見渡せる素晴らしいロケーションに位置しています。水場がない、トイレが山荘内などデメリットありますが、このテント場からの眺めと、山荘から見る燕岳を背景にしたテント場の風景を見ることができたので、来て良かったなと思いました。
私はテント場の端っこに陣取ることができたので、水を作るための雪を取りやすいのが良かったです。雪の表面は少し黒っぽいですが、ピッケルで掘り起こすと綺麗な雪をとることができました。
取った雪で沸かしたお湯で夕食にレトルトパスタを作りました。
宿泊当日は燕岳登山
テント場に到着したのは12時半くらいで、時間がかなりあったので、燕岳、北燕岳まで行ってきました。
この日は狙い通りに本当に天気が良く、ずっと眺めの良い稜線歩きができました。登山道に雪はほとんど残っておらず、アイゼンなしで登ることができました。
下の写真は、大天井岳、常念岳などの表銀座縦走路です。
下の写真は槍ヶ岳です。やはり尖った参照は目立ちます。夏山も綺麗ですが、雪の白色が映えます。
下の写真は燕岳から北側を見た後立山連峰方面です。ずらっと並んだ雪の高山が美しかったです。
翌日は吊岩まで往復して下山
テント泊した翌朝は、大天井岳方面の吊岩という特徴的な岩場まで行って引き返し、それから下山しました。
翌日も天候が良く、遠くに富士山も見えました。
下の写真が吊岩です。夏の時期は左から回り込みますが、残雪の時期は、岩と岩の間をすり抜けるようで、岩にマーキングされていました。
吊岩を抜けると、大天井岳がより近くに見えました。これを見て満足し、引き返しました。
テントを撤収し、下山しました。
まだGW中なので、続々と登山者が登ってきていました。北アルプスの残雪期は割と敷居が高いイメージですが、こんなにたくさん登山者がいるのかと、驚きでした。やはり人気の山は違います。
残雪期の燕岳の装備
残雪期の燕岳のピッケルとアイゼンの雪山装備をどうするか悩みますが、他の登山者を見ると、ストックと軽アイゼンで登っている方もいました。一部急斜面があるので、アイゼンなしは厳しいですが、軽アイゼンでもあれば対応できると思いました。また、ピッケルは必ずしも必要ではなく、ストックでも良いと思います。
私はストックを持っていないのでピッケルを持って行き、アイゼンは安全のために12本爪を持って行きました。それに加えてテント泊装備なので、やはりかなり荷物が多くてザックが重いので疲れました。。とはいえ、駐車場から燕山荘の標準コースタイムが4時間10分で、割と短いコースタイムなので耐えられると思います。
まとめ
2024年のGWに燕山荘のテント場に泊まり、残雪の燕岳へ登ったので、テント場の様子や感想をまとめました。
水やトイレについて不便さはあるものの、テント場から見える山々の風景と、燕岳を背景にしたテント場の風景は一見の価値があるため、是非ともテントを張ってゆっくり過ごしてその素晴らしさを体験してほしいと思います。