
冬でも営業している山のテント場は貴重
登山におけるテント泊は主に夏に行うものですが、積雪がある場所でも雪の上にテントを張ることで冬でもテント泊を楽しめます。
冬のテント泊は寒いし、重い荷物を持ち運ぶ必要があって大変ですが、雪景色のテント場は夏とは異なる美しい景観で、新鮮な体験ができ、心に残るでしょう。
ただし、雪山へ登るには、雪崩、滑落、道迷いなど、夏とは比べられないほど多くの遭難リスクがひそんでおり、雪山テント泊する場合は、リスク軽減のため、営業している山小屋へテント泊した方がよいでしょう。営業している山小屋であれば、何かあれば相談できるし、天候急変時は小屋泊へ変更できます。
一方、多くの山小屋は冬季休業となり、冬季営業の山小屋は非常に少ないです。数少ない冬季営業山小屋の中でも、テント場を併設しているところはさらに少なくなるので、貴重な存在といえます。
冬でも営業している関東圏の山小屋併設テント場を探してみた
そこで、貴重な存在の冬でも営業している山小屋併設テント場を、関東の山エリア(北アルプス、南アルプス、中央アルプス、八ヶ岳、妙高火打、尾瀬、那須、奥秩父、大菩薩、奥多摩)の中から探してリスト化してみました。
探してみると、やはり思った通り少ないという印象です。テント泊好きな私にとって、冬は行ける山が限られてしまうので、少し寂しさを感じます。
冬でも営業しているテント場16ヶ所を紹介
関東の山エリアごとに、冬でも営業している山小屋併設のテント場16ヶ所を以下に紹介します。なお、管理人不在のテント場や、車で行けるテント場は対象外としています。
また、本情報はあくまで2025年4月現在のもので、冬に営業する山小屋は毎年増減するし、営業期間も変動すると思います。
北アルプス
1. 中房温泉 4月下旬~11月下旬、年末年始
2. 西穂山荘 通年営業
西穂山荘が通年営業とのことで、行ったことはないですが、すごいなと思います。厳冬期の北アルプスで、営業している山小屋そばのテント場に泊まれるなら、一度は行ってみたいなと思いました。
中房温泉のテント場は、昨年末に燕岳登山のために行きましたが、温泉も入ることができ、さらに地熱によって冬でも地面が暖かく、素晴らしい体験ができました。ただし、夏は車でアクセスできますが、冬は宮城ゲートから中房温泉まで約13kmの車道歩きをする必要があります。
下の写真が中房温泉テント場です。地面に雪がない場所は、地熱によって暖かいためです。冬なのに寒くなく、夜は快適に眠ることができました。

南アルプス
3. 長兵衛小屋 6月中旬〜11月上旬、GW、年末年始
4. 七丈小屋 通年営業 ※2月中旬~4月中旬は金、土、日のみ宿泊可
いずれも冬に泊まったことありませんが、七丈小屋だけは夏にテント泊したことがあります。七丈小屋は、甲斐駒ヶ岳へ続く日本三大急登の黒戸尾根途中にありますが、夏でも行くのが大変なのに、冬に行くのはかなり強者だなと思いました。
長兵衛小屋は北沢峠近くに位置し、仙丈ケ岳と甲斐駒ヶ岳両方へ登るためにちょうど良いロケーションで、年末年始に2つの山を登山する拠点として利用できますね。
八ヶ岳
5. 青苔荘 通年営業 ※冬春季は不定休
6. しらびそ小屋 通年営業 ※水、木は定休日
7. 双子池ヒュッテ 4月下旬~11月上旬、12月下旬~3月中旬 ※不定休あり
8. 黒百合ヒュッテ 通年営業
9. 高見石小屋 通年営業 ※不定休あり
10. 本沢温泉 通年営業
11. 赤岳鉱泉 通年営業
私が冬に泊まったことあるのは、黒百合ヒュッテ(天狗岳登山目的)、高見石小屋(北八ヶ岳散策目的)、赤岳鉱泉(阿弥陀岳登山目的)のテント場です。
八ヶ岳は冬でも営業している山小屋が多くてテント場も多いですが、ほとんどが北八ヶ岳に集中しています。北八ヶ岳は、初心者向け雪山登山ができるエリアとして人気なので、合わせて雪山テント泊も体験するのが良いと思います。
下の写真は、2023年3月に行った高見石小屋のテント場です。

テント場から5分ほど登ったところにある、高見石展望台からの眺めが素晴らしかったです。樹林帯の中にある丸い部分は、白駒池が凍って雪が積もった状態になったものです。

本沢温泉は日本一標高が高い(標高2,150m)野天風呂の温泉ということで、テント泊+温泉の2つを楽しめるので是非とも行きたいテント場です。
大菩薩嶺
12. ロッヂ長兵衛 通年営業
ロッヂ長兵衛には、2023年2月にテント泊したことがあります。
大菩薩嶺登山の拠点となる山小屋で、夏は車でアクセスできますが、冬は手前約6kmのゲートから歩く必要があります。ただ大菩薩嶺は積雪がそこまで多くなく、手軽に雪山登山できるので、ロッヂ長兵衛のテント場はぜひ活用したいものです。
下の写真は、2023年2月のロッヂ長兵衛テント場です。

奥秩父
13. 雲取山荘 通年営業
14. 七ツ石小屋 通年営業
15. 笠取小屋 4月下旬から翌年1月3日
16. 三条の湯 通年営業
私が冬に泊まったことあるのは、雲取山荘と七ツ石小屋のテント場です。
奥秩父は積雪があまりない場所が多く、営業している山小屋およびテント場も割と多い印象で、テント泊できる山小屋は雲取山エリアに集中しています。
下の写真は、2025年3月に行った、七ツ石小屋のテント場です。この日はたまたま前日の降雪によりたくさんが雪がありましたが、通常ここまで雪は多くないと思います。

三条の湯は、八ヶ岳の本沢温泉と同様に、テント泊とともに温泉へ入ることもできるので楽しみが多く、是非いずれ行きたいと思います。
まとめ
冬でも営業している山小屋併設のテント場をピックアップして16ヶ所紹介しました。
これらの中で私が冬に泊まったことあるのが8ヶ所で、まだ行ったことのないテント場がいくつかあるため、いずれは訪れてみようと思います。
特に、北アルプスの西穂山荘で真冬にテント泊ができるのは驚きで、これは是非とも優先的に訪れてみたいと思っています。