- 雪がある12月の雲取山に登山
- 三峰神社からの登山ルートを歩いた
- 上り(三峰神社~雲取山荘→雲取山頂→雲取山荘)の様子
- 雲取山荘でのテント泊の様子
- 下り(雲取山荘~妙法ヶ岳~三峰神社)の様子
- 三峰ルートは少し長い危険箇所も少なくおすすめ
- 白岩小屋の水場は冬でも利用可能!行き方を解説
- まとめ
雪がある12月の雲取山に登山
2022年12月29日~12月30日に、テント泊で雲取山へ行ってきました。
雲取山は、東京、埼玉、山梨の3県にまたがる奥秩父山域の百名山で、標高2,017mで冬には雪が多いときで数10cm積もります。
冬の雲取山は雪山となるので登山者少ないと思いましたが、私が行った時は年末なので割と登山者多かったです。
歩いたルートは、秩父側の三峰神社から雲取山までの往復です。
冬でもテント泊をしたかった
私は山でのテント泊好きなのですが、テント場はだいたい北アルプスや南アルプスなど、標高が高い山に集中しています。それらは雪が多すぎて、登山は大変です。
冬登山でもテント泊をするには、標高が高くなく、雪がそこまで多くない山へ行くことになります。
そこで選んだのが雲取山です。日本百名山なので、人もたくさん入っているので安心感もあります。一方、冬なのであまり混雑しすぎていないのもメリットです。
三峰神社からの登山ルートを歩いた
歩いたのは三峰神社ルートで、雲取山頂までの往復です。
詳細なルートは以下の通りです。
1日目:三峰神社~霧藻ヶ峰休憩所~白岩小屋跡~芋の木ドッケ~大ダワ~雲取山荘(テント設営)~雲取山頂~雲取山頂避難小屋~巻き道を経て雲取山荘
2日目:雲取山荘~大ダワ~芋の木ドッケ~白岩小屋跡~霧藻ヶ峰休憩所~妙法ヶ岳~三峰神社
三峰神社を出発し、初日に雲取山頂まで行った後、雲取山荘でテント泊、2日目は妙法ヶ岳経由して三峰神社まで戻りました。
ルート図は以下の通りです。
標準コースタイムは?
上記コースの標準コースタイムは、上り6時間10分、下り4時間25分です。
合計10時間超えで、人によっては日帰りで行ってしまう方もいるようですが、私はあくまでテント泊をしたかったので1泊で行きました。
三峰ルート以外のコースや、コースタイム詳細は、以下リンクの山と高原地図"雲取山・両神山"を参照するとよいでしょう。
上り(三峰神社~雲取山荘→雲取山頂→雲取山荘)の様子
三峰神社の駐車場から登山開始
雲取山三峰ルートの登山口は、三峰神社の駐車場です。
三峰神社は、秩父市の観光地にもなっている、パワースポットとして有名な神社です。
地図上では以下の場所にあります。
三峰神社の駐車場はかなり広々しており、神社の参拝者と登山者が利用します。登山者は、登山口に近い第2駐車場へ止めると良いでしょう。
駐車料金は1泊2日でも520円
駐車料金は1回520円で、1泊2日でも520円でした。2倍の1,040円とられるのではないかとビクビクしていましたが、一安心でした。。
帰りにチェックされるわけでもないので、何泊しても520円だと思います。
駐車場を出発し始めのころは、登山道に雪はまったくなく、快適に歩くことができました。落ち葉だらけの冬季らしい道を、気持ちよく歩きました。
三峰ルートの登山道の道中、ところどころ、以下のような案内板が設置してあり、遠い過去の遺産に思いを馳せることができます。さすが百名山だけあって、深い歴史があるのだと感じさせてくれました。
歴史を感じながら登山できる三峰ルートは良かったです。
下の写真は霧藻ヶ峰休憩所です。夏は売店をやっているようですが、冬は閉まっていました。
ただ、立派なトイレが利用可能でした。清潔に保たれており、冬でもちゃんと清掃しているのではないかと思われました。
しばらく歩くと下の写真のように、朽ち果てた白岩小屋跡に到着です。ぼろぼろでしたが、トイレだけは使えそうでした。
ここらへんから雪が増えてきた印象です。
白岩小屋跡にはテント場もあり、無料で利用できるのが素晴らしいです。ちょっと斜めになっていたのが少し残念です。。テント場からは下の写真のように、和名倉山の素晴らしい眺望を拝むことができます。
当初、白岩小屋のテント場に泊まろうと思っていましたが、時間が中途半端になるので、雲取山荘まで行くことにしました。この眺望はなかなか良いので、別の機会に泊まりたいです。
白岩小屋を過ぎた後に軽アイゼン装着
白岩小屋を過ぎると、雪がかなり増えました。この時点で1,900mを超えており、雲取山頂の標高とそれほど変わらないくらいなので、雪が多くなるのもうなずけます。
アイゼンなしでなんとか踏ん張っていましたが、やはり氷になったとことでツルツル滑って怖いので、アイゼンを装着しました。
軽アイゼンつけると重いし歩きにくいので、余りつけたくないのですが、しょうがないですね・・。
芋の木ドッケあたりの登山道は少しだけ怖かった
雲取山三峰ルートは、ほとんど危険と感じられる箇所はないですが、唯一、下の写真の芋の木ドッケへ向かうトラバース道が狭いし、急坂を転げ落ちそうで少し怖かったですね。アイスバーンになった箇所が多く、もしアイゼンやチェーンスパイクがなかったら、なかなか通過するのは厳しいと思います。
"芋の木ドッケ"って面白い名前ですが、由来は以下とのことです。
雲取山荘に到着
10時半に三峰神社を出発し、14時半くらいに雲取山荘に到着しました。このへんは日陰が多いせいか、山荘周辺は雪がかなり積もっていました。寒かったです!
ここでテント泊の受付を済ませ、テント場にテントを張り、そのあと雲取山頂へ行きました。
雲取山の山頂、雲取山避難小屋、迂回ルートでテント場へ戻る
雲取山荘から雲取山頂までのルートはずっと日陰のため、完全に雪道で、アイゼン必須でした。ただ、登山客がたくさん歩いているし、トラロープが張られているため登山道は明確で歩きやすかったです。
20分くらい歩いて山頂に到着しました。
さすが百名山だけあって、素晴らしい眺望です。富士山もばっちり見えました。
ただ思ったよりも周囲に木々が多く、視界を遮られている印象だったので、もう少し先へ進んでみることにしました。
山頂から少し進むと、雲取山避難小屋がありました。雲取山荘だけでなく、避難小屋まであり、さすが東京都の百名山、贅沢だと思いました。。この避難小屋は山頂すぐそばにあり、絶好のロケーションです。この日宿泊者は結構いたようです。
避難小屋のそばにはトイレもありました。
避難小屋から小雲取山方面へ下りました。ここからの景色が素晴らしかったです!
稜線がずっと先まで続き、奥には南アルプスや北アルプス、富士山が見えました。
山頂よりも避難小屋から見る景色の方が、開放的で良いと思います。
道を下って行って少し歩い所に、雲取山荘への巻き道と石尾根縦走路の分岐があり、巻き道を通って山荘へ戻りました。
巻き道では1組しか会わなかったですが、トレースはばっちりあり、迷うことはありませんでした。トレースがあるということは、雲取山荘で宿泊し、翌日奥多摩方面を向かう人が多いのだと思います。
雲取山荘でのテント泊の様子
雲取山荘のテント場で泊まった様子も紹介しておこうと思います。
この日、私以外に張られていたテントは、6張くらいだったと思います。意外に多いなという印象です。
ただ、このテント場は50張いけるそうですが、雪があるせいか、なかなか平坦な場所は少なく、私が張った時には、他にはちょうどいい場所はあまりないようでした。雪があると張れる場所が少なくなりますね・・。
下の写真は私がテントを張った様子です。雪を踏み固め、その上に張りました。張り網を固定するための大きな石は、そこらへんに転がっていたので、ありがたく使わせてもらいました。
テント泊の料金
雲取山荘テント場の料金ですが、1泊1,500円でした。テント場は昔500円が相場だったので、ここにも物価高の影響を感じます。。
この1,500円でテントを張る場所が提供され、山荘のトイレを使用することができ、下記のように水をもらうことができます。
水2リットルもらった
雲取山荘の水道は凍結しているため、山荘で容器を渡すと入れてくれるとのことでした。私は2リットルのプラティパスの容器を渡し、満タンにしてくれました。
なくなってもう1度お願いしたら、もらえるのか、よくわかりませんでしたが、なんとなくもらえそうな雰囲気でした。
私は雲取山荘に着いた時点で残り500ミリリットルくらいしか残っておらず、そこに2リットルもらったのですが、それでも1晩でほとんど使ってしまいました。もっと持って行くべきだったし、なんなら思い切って雲取山荘にもう1回お願いすれば良かったと思いました。
もしくは、後述しますが、白岩小屋の水場は冬でも使えたので、上りの際、そこで補充すればよかったと思いました。
雪を溶かした水は汚すぎて使えず・・
なお、テント周辺にある雪をバーナーで溶かして水を補充しようとトライしましたが、残念ながら、溶かした水は細かい砂や葉っぱだらけで、とても飲めるような代物ではありませんでした・・。
見た目では採取した雪は真っ白でしたが、降雪して何日か経っていたので、いろんな塵が混じってしまったのでしょう。やはり雪を溶かして使うには、新雪でないとダメなのでしょう。。
夕食はパスタ、朝食は棒ラーメン
私が最近テント泊する際は、いつも夕食はパスタ、朝は棒ラーメンです。オプションでソーセージを付けています。
やはり寒かった!気温が低くてスマホが使えなかった・・
雲取山荘テント場の標高は1,891mあり、やはり夜は寒かったです。気温は-10℃くらいは下がっていたかもしれません。
テントの中でもペットボトルの水がすぐ凍ってしまうので、使うときは体で温めました。また、低温のため、スマホが再起動を繰り返してしまう現象が発生していました。かろうじてテント場も電波(docomo)が届いてそうで、スマホを楽しもうと思ったのですが、使えませんでした。一度体で温めたら、数分は使えますが、すぐにまた再起動してしまいました・・。後で調べたら、どうも低温だとバッテリーが持たないようです。
下り(雲取山荘~妙法ヶ岳~三峰神社)の様子
朝食を食べたらテントを片付け、6時半くらいに下山を開始しました。
下りは特にアイゼンの重要さを感じました。白岩小屋を過ぎたあたりで外したのですが、ところどころ登場するアイスバーンを踏むと、つるんと滑ってこけてしまうのです。慎重に足を置いても、つるつる滑るので、下りではアイゼン重要です。
後述しますが、途中白岩小屋の水場に寄ったものの、スムーズに下山しました。
下の写真のように、霧藻ヶ峰まで下りてきました。
上りでは気づきませんでしたが、昔の天皇である秩父宮両殿下のレリーフが岩に埋め込まれていました。
妙法ヶ岳に立ち寄る
下りでは、ちょっと寄り道して妙法ヶ岳へ行ってみました。三峰山は、雲取山・白岩山・妙法ヶ岳の三山の総称であり、妙法ヶ岳はそのうちのひとつです。
三峰神社駐車場から往復でコースタイム1時間45分で、割と気軽に行けるため、登山客でない観光客がたくさんいました。テントが入った大きなザックを背負ってここへ行くのは、少し恥ずかしくもありました・・。
山頂からは周囲の山々が良く見えました。
山頂手前に鎖場注意という看板がありましたが、全然たいしたことありませんでした。手すりもあるので鎖を使う必要ありません。。
三峰神社駐車場へ向けて下山していきます。
三峰神社に戻ってきた
10時40分頃、三峰神社に到着しました。
年末の12月30日ですが、観光客が大勢いました。年末でこの人出なら、初詣は大混雑でしょう。
私も参拝したことないので、本殿まで行きましたが、行列ができていたので、待つのが面倒で本殿の参拝はやめました。
三峰ルートは少し長い危険箇所も少なくおすすめ
雲取山三峰ルートを歩いての感想ですが、やはり百名山だけあって、全体を通してしっかり整備されており、歩きやすいと思います。芋の木ドッケ付近のような危険箇所は、しっかり案内板で注意喚起しており、安全に歩行できるようになっています。
雪については、霧藻ヶ峰まではほとんど雪はなく、白岩山あたりで少しずつ増えてきて、白岩小屋を越えたあたりでかなり増え、アイゼンが必要になるような感じでした。アイゼンといっても、12本爪でなく軽アイゼンやチェーンスパイクで十分でした。私が行ったのは年末ですが、1月や2月になるともっと雪が降って12本爪が必要な時期もあるんですかね。。
距離はそこそこ長いですが、百名山で山頂の眺めも良く、登り甲斐のある三峰ルートは是非おすすめです。テント泊または雲取山荘泊で臨むとよいでしょう。
白岩小屋の水場は冬でも利用可能!行き方を解説
今回テント泊するにあたり、雲取山荘の水場は使えないことが分かっていました。山荘で水を分けてもらえることも分かっていましたが、1リットルしかもらえないだろうと思っており、三峰ルート途中の白岩小屋の水場で追加したいと考えていました。
白岩小屋の水場については、冬でも水場で水がとれるか、ネットで事前に調べましたが、情報ありませんでした。今回実際に水場へ行ってみて、水が出ていることを確認できたので、行き方を解説しておこうと思います。
三峰ルート上りの際に行こうとしましたが、トレースもなく、アイゼンも装着しておらず、ちょっと怖かったのでいったんは諦めました。下りの際にアイゼン装着したまま再度トライしてみると、なんとかたどり着くことができました。
白岩小屋のそばに、下の写真のように案内板があり、小屋の左側へ歩いて行きました。
すると、ホースの残骸があるトラバース道がうっすらとあるので、慎重に辿っていきます。冬は行く人がいないせいか、トレースないですね・・。右側は急斜面となっていて危ないので、アイゼン装着した方がよいでしょう。
ずっと斜面の踏み跡を進んでいくと、下の写真のようなロープがあるところに出ます。ここは急坂となっており、ロープを伝って降りたところに、小さな沢があり、豊富に水が流れていました。見つけた時は、非常にうれしくて、がばがば飲みました。
ある程度の水量があるので、よほど気温が下がらなければ、冬場でも水は枯れないだろうと思います。
水を汲んだら来た道を戻ります。
白岩小屋へ戻ってきました。
所要時間ですが、私の足で行き10分、帰り10分でした。
正直、道はあまりよくないので、急斜面のトラバースを歩くのがあまり好きでない方は、やめておいた方が良いと思います・・。
まとめ
冬の雲取山三峰ルートをテント泊で登山しました。
長いルートでありながら、歴史を感じながら歩けたのが良かったです。軽アイゼンの歩行が必要ですが、危険を感じるような急斜面もなく、快適に歩行できました。また、冬なので登山者も少なく、静かにのんびり楽しめました。
テント泊はかなり寒いため、装備の準備と覚悟が必要ですが、雲取山荘であれば、他の登山者もいるし、トイレも使えるし、いざというときにも安心でした。
雪山テント泊の初心者なら、雲取山は是非ともおすすめです。