大理の蒼山を自力で登山
2009年6月に中国雲南省の大理へ行き、大理古城を見下ろすようにそびえ立つ、4,000m級の蒼山という山に登山したので、その様子を記事にまとめたいと思います。
大理はどんな町?
大理は中国雲南省西部(ミャンマーとの国境近く)にある、大理ペー族自治州の中心都市です。年間の平均気温が約15度と暖かいので、観光しやすい場所です。
大理には、下関と大理古城という2つのエリアがありますが、下関は行政の中心で、見どころは大理古城の方に集中しています。
大理古城は、周囲を城壁と門で囲まれた敷地の中に、昔の建物を再現して作られた古い町並みがあります。路地沿いに土産物屋、カフェ、レストラン、ゲストハウスがずらっと並び楽しく散策することができます。
下の写真は、大理古城の様子です。歴史を感じさせる建物がずらっと並び、中は土産物屋やカフェになっています。
なかなかいい雰囲気のカフェ街です。
下の写真のように、大理古城の周りは大迫力の大きな門がいくつかあり、中国らしい建築様式で、見る価値あります。
大理には歴史的建造物もたくさんあり、下のような、崇聖寺三塔という最大高さ69.13mの大きな塔があり、観光名所となっています。
上の写真で、崇聖寺三塔の背後に見える山が蒼山です。
大理にある蒼山とは?
蒼山は、南北に海抜3,500m以上のもの高い19の峰が連なる山です。大理の標高が約2,000mなので、大理市街地との標高差は1,500m以上ということになります。
蒼山は、いくつかのロープウェイが整備されており、山の中腹(標高2,600m)にある遊歩道を歩いて、綺麗な渓谷や滝、大理古城を見下ろす風景を眺望できます。
2009年6月に蒼山を山頂まで登山
私は2009年6月に大理へ行ったとき、ロープウェイを使わず、蒼山の山頂(玉局峰:4,097m)まで徒歩で登山しました(厳密には玉局峰より馬龍峰:4,122mの方が標高が高いので、山頂ではないかもしれませんが・・)。
当時私は登山にはまっており、中国雲南省旅行中も、手軽に登れそうな山を見つけては、ひたすら登っていました。蒼山についても、とにかく自分の足で歩いて山頂まで行きたいと考え、前日に登山ルートがあることを確認し、次の日、見事に山頂まで完登することができました!
地球の歩き方2018~19によると、蒼山山頂までのロープウェイが開通している
私が行った2009年の時点では、蒼山中腹までのロープウェイはあったのですが、最新の"地球の歩き方2018~19 成都 九塞溝 麗江"によると、なんと山頂までのロープウェイが開通しているとのことです!大理市街地から山頂付近の洗馬潭(3,966m)までで、往復300元(≒5,100円)だそうです、高い!
私が苦労して登ったのに、お金を払えばロープウェイで山頂まで行けるようにするなんて、さすが中国です。。
とはいえ、自力で山頂まで行けたというのは、なかなか貴重な体験だったと思います。
蒼山の山頂まで登ってみた
蒼山の登山したときの様子を紹介したいと思います。
登山ルートを前日に確認
蒼山の登山ルートについては、旅行出発前に日本で調べたのですが、自力で登山した人の情報が1件くらいしかみつかりませんでした。そこで、登山前日に、本当に登山ルートがあるのか現地で確かめに行きました。
とりあえず、下の写真のように、山の中腹の遊歩道まで歩いて登りました。山の中腹への登山道は、テーマパークの"天龍八部影視城"の近くにありました。チケット売り場的な建物がありましたが、私が行ったときは、誰もいなかったのでスルーしました。
遊歩道からは、下の写真のように、大理古城と洱海という大きな湖を遠望できます。
山の中腹には、中和寺という寺もあります。
この中和寺の近くに、"HigherLand Inn"というゲストハウスがありました。その宿が出している看板には、なんと登山道が記載されているではありませんか!これで次の日の登山は、安心してできそうということが分かりました。
このゲストハウス近くにある山頂への登山口は、下の写真のようになっています。
いよいよ登山開始
次の日、いよいよ登山開始です。
開始時点は大理古城内の宿におり、私の高度計では標高2,020mとなっていました。
登山道は整備されている
そして、登山開始しました。
登山道は下の写真のように、しっかり整備されています。中国人は日本人と同じように、登山好きが多いのかもしれません。
登山道は歩きやすいので、もくもくと歩き、気づいたら標高3,000mまで登っていました。
ちょうどこのころ、ガス(霧)が出てきて、もしかしたら山頂からの眺望は期待できないかも、と残念な気持ちになりながらも、前へ進みました。
蒼山の登山道は、標高3,000m越えても、下の写真のように、しっかり整備されていて歩きやすいです。また、道も分岐とかないので、迷うことはありませんでした。
途中に下の写真のような、立派な道標も出てきます。こんなに整備されているならば、この山は、中国人観光客や地元民がよく登る山なのかもしれません。
山頂付近に到着したが・・
そして、いよいよ山頂付近らしきところまで登ってきました。なんか花がいっぱい咲いていて、かなり雰囲気良さそうです。
ただ、残念ながら、ガス(霧)が多くて眺望が全然よくありません。。
この4,000m付近はお花畑になっており、いろんな種類の花を見ることができます。以下の写真のような、珍しい花が咲いています。
そして、お花畑を進むと、なにやら道標らしきものが見えてきました。
洗馬潭と書いてあり、そばには大きな池があります。
池のふちは石垣が設置されており、しっかり整備されているようです。
この池は周囲のお花畑とともに、晴れていたら最高の景色を見せてくれるのでしょうが、残念ながら、ガスのためほとんど何も見えません。残念・・。
しかも、少し雨がぱらついています。。
洗馬潭から少し進むと、立派な石でできた道標に、玉局峰4,097mとあります。蒼山の19ピークのうちの一つに到着しました!登頂の嬉しさに浸ります。
私の高度計では、少し誤差ありますが、4,070mとなっていました。
玉局峰の手前には、以下のように、馬龍峰という道標もありました。馬龍峰は、蒼山の中でも最高峰の4,122mのピークです。
天気は良くないですが、もちろん行ってみることにします。
しかし、上の写真の道標の示す方向に進みましたが、行けども行けども辿り着きません・・。
ガスで視界も悪く、道も細く、崖のような感じになってきました。道を間違えたのかもしれません。
こんなところで滑落しては、誰も助けに来てくれない、と思い、残念ながら蒼山最高峰の馬龍峰はあきらめて撤退することにしました。
下の写真のように、前へ進もうにも、岩だらけでどうにもなりません・・。
下りは、来た道をひたすら下るだけで快適でした。足が痛くなってはいましたが、無事、中腹のHigherLand INNというゲストハウスのところまで降りてきました。
それからさらに下ると、大理の街並みが見えてきました。下の写真には、遠くに天龍八部影視城が見えています。
また、山頂付近は霧だらけでしたが、下界は晴れていました。
とりあえず無事下山できてよかったです。
登り始めてから、降りてくるまでにかかった所要時間は、11時間半でした。標高差が2,000mあるので、結構時間かかりました。降りてきたときには、夕方5時をまわっていました。
蒼山に登った感想
日本の最高峰である富士山よりも標高が高い山に自力で登れたので、かなりの達成感がありました。また、現地で自分で登山道をみつけて、それが山頂までの正しいルートであった時の喜びも感じることができました。
ただやはり、山頂の天気が悪く、池やお花畑、山頂からの展望が全く見えなかったのは残念でした。晴れた日はかなり綺麗な景色が見えるのではないかと思います。
現在は、ロープウェイ(洗馬潭大ロープウェイ)が運行しているので、大理で絶景を見たい方は利用するとよいでしょう。
まとめ
中国雲南省の大理にある、4,000m級の蒼山を、ふもとの大理古城から登山したときの様子を紹介しました。
現在では、ロープウェイがあるのであえて徒歩で標高差2,000mを登る必要ありませんが、もし、ちょっとした海外登山を経験してみたいという元気な方は、挑戦してみてはいかがでしょうか?