ピナイサーラの滝とは
ピナイサーラの滝は、西表島北部の船浦地区にあり、沖縄県でNo.1の落差54mを誇る豪快な滝です。落差が大きく水量も豊富なため、見るものを圧倒する迫力があります。
道路沿いから手軽に見られるようになっておらず、少しジャングルを分け入って滝へアクセスするため、秘境感も感じられる滝です。
地図上ではどこにある?
ピナイサーラの滝は以下の地図に印をつけた、船浦海中道路(下の地図で、海をまたぐ橋)近くのヒナイ川を少し上流へ上ったところにあります。
ピナイサーラの滝へは般的にはカヌーツアーで行くが・・
ピナイサーラの滝へ行くには、一般的にツアー会社を通してカヌーツアーで行くことが多いと思います。カヌーが体験できるし、ガイドが付き添っているので安心して行くことができるでしょう。
ただその場合、ガイドについて行くだけなので、滝へ辿り着いたときの達成感がそこまで大きくないと思います。しかもツアー料金はとても高額で、一人10,000円程度かかるでしょう。
ピナイサーラの滝は徒歩(トレッキング)で行くのがおすすめ
そこで私は、ピナイサーラの滝へ行くには、個人旅行でもトレッキングによって徒歩で行くことをおすすめしたいです。滝へのルートは、すでに先人たちが残した足跡や情報があり、さほど難易度は高くありません。
例えば、下の写真のように、ルートにはところどころ赤テープの目印があり、道が間違っていないことを知らせてくれています。また、ガイドブックのてくてく歩き"石垣・竹富・西表島"にはルートの解説をした特集ページまであります。
カヌーは体験できないですが、干潟や川の中をじゃぶじゃぶ歩き、ジャングルを歩くので、サバイバル感と秘境感を味わえるでしょう。そして、滝に到着したときの達成感は、ツアーで行くよりも何倍も大きいでしょう。
滝へ徒歩(自力)で行く方法を解説
私は2015年4月30日に、妻と2人でピナイサーラの滝へ徒歩でトレッキングしました。
事前に情報収集して、船浦海中道路からアクセスしてたどり着くことができたので、そのときの写真、ルート図やルート状況を解説したいと思います。
ピナイサーラの滝へのルート図と行き方は?
ピナイサーラの滝へのルートは以下の地図のようになっています。私が、地形図に赤線とピンク色の線でルートを書き込んでいます。
引用国土地理院
上原港から南東へ約5km行ったところに、船浦湾にかかる橋(船浦海中道路)があり、その左端あたりにミラー(船浦方面から行くと3つ目のカーブミラー)があります。そこがルートの入り口です。そこから船浦湾の干潟に降りて、マングローブに沿って歩きます。
我々は、潮が引き始める時間を事前に調べ、朝6:30頃に干潟を歩き始めました。船浦湾の干潟までは、ミトレアキャンプ場から徒歩で行きました。
水の深さはだいたい20cmくらいでしょうか(上の写真)。ズボンの裾を上げて、じゃぶじゃぶ水の中を歩きました。
しばらくするとヒナイ川にぶつかるので、川を渡ります。そして下の写真のようなマングローブの小道を歩きます。この小道の入り口には、プラスチックの浮き玉がかかっており、それが目印となっていました。
それから、草原の道(下の写真)に出るので、踏み跡に従ってひたすら歩きます。
その後はジャングルの中を歩きます。ここも目印となるテープがあり、登山道のようなルートとなっています。
下の写真のように、根っこがうねっており(板根というそうです)、何ともジャングルらしい木に遭遇することもできます。こんなの見ると、冒険心をくすぐられます。
しばらく道なりに歩くと、ヒナイ川(下の写真)とぶつかり、滝壺(上の地図で赤線)と滝上(上の地図でピンク色の線)へ行く分岐に出ます。
滝壺は迫力ある滝を下から見ることができます。滝上は、高いところから見下ろす恐怖感を味わえるうえに、眺めが良い船浦湾の景色を見ることができるので、両方とも行くことをおすすめします。
下の写真は、滝下から見上げたピナイサーラの滝です。圧巻です!
下の写真のように、滝上にも行ってみました。こんなところにテントが!、と思ったら、ごそごそと出てきたのは欧米人のお姉さんでした。こんな崖のきわきわにテントを張って怖くないのでしょうか・・?しかも一人で。。
少し話すと、このままさらにヒナイ川の上流を上って行くそうです。勇気あるお姉さんでした。。
滝上には柵とかないので、落ちたら死んでしまうでしょう。おそるおそる滝上から下をのぞくと、かなり怖いです。。
豪快な滝に大満足し、帰りも同じ道を歩いて戻りました。
下の写真のように、船浦湾の干潟に戻ってきたときには、すでに水が干上がっていました。行きは水の中を歩いて、大変でしたが、帰りは楽々です。
無事、船浦海中道路が見えるところまで戻ってきました。
所要時間は?
干潟を歩き始めて戻ってくるまでの所要時間は、我々夫婦の場合、約5時間でした。
満潮から潮が引き始めた後の時間を狙って出発し、朝6時半から干潟を歩き始めて11時半くらいに船浦海中道路まで戻ってきました。
潮が引き始める時間に出発した方がいい
船浦海中道路から干潟に降りた後、水の中を歩くのですが、満潮のときだと水位が高すぎます。満潮から干潮になる間に、出発するのがよいでしょう。
満潮から干潮になるまでに約6時間かかります。滝までの往復の所要時間を6時間とすると、干潮になる3時間くらい前に出発するとちょうどいいかもしれません。干潮と満潮の時間は、気象庁のHPで確認することができます。
服装は?
ルートを歩く際の服装ですが、私の場合、かなりラフな格好でした(下の写真)。
足元がどうしても濡れるので、私はサンダルのクロックスを履きました(岩場もあるので、もっとしっかりした水陸両用の靴の方がいいかもしれません)。
ウェアは上下ともに、綿ではなく、乾きやすい化繊のものを着用しました。化繊だと乾きやすいので、水に濡れたり汗をかいても、あまり不快に感じませんでした。
あとはザックに食べ物とペットボトルに水を入れて持って行きました。
まとめ
西表島にあるピナイサーラの滝へ、徒歩(自力)で行く方法を解説しました。
このルートは、干潟、川、ジャングル、マングローブ、滝、崖など、いろんな自然の景観を一度に短時間に体験できる素晴らしいルートだと思います。日本の山を歩いても、ここまでバラエティに富んだ登山ルートはなかなかないと思います。
歩くのが好きで元気な方は、是非とも挑戦してほしいと思います。
私が行った、西表島旅行について、以下の記事にまとめています。ご参照ください。