奥秩父 雁坂峠近くの雁坂小屋でテント泊した
奥秩父にある雁坂峠は、昔から多くの人が行き来してきた峠で、日本三大峠として有名です。この峠は埼玉県と山梨県の県境となっており、峠の下には雁坂トンネルがあって車が行き来しており、交通の要衝となっています。
また雁坂峠は、雲取山から瑞牆山までの奥秩父主脈縦走路上に位置しており、山梨と埼玉からの登山道も整備されており、多くの登山者が訪れます。
その雁坂峠から少し下ったところにあるのが雁坂小屋で、春から秋のシーズン中は管理人常駐で素泊まりとテント泊ができるようになっています。冬は管理人不在となりますが、小屋とテント場の利用が可能です。
これまで6月と12月にテント泊した
私はこれまで雁坂小屋は登山で何度か経由しており、また、2度ほどテント泊で泊まったことがあり、その雰囲気と居心地の良さが気に入っています。
テント泊で泊まったのは2022年12月3日と2023年6月17日で、それぞれ冬と夏なので、全く異なるシーズンの景色を楽しむことができました。
6月は新緑の木々が綺麗で、多くの登山者が訪れて華やかでしたが、12月は枯れ木による茶色の独特な風景で、テント場では1人寂しいものの、独り占めの快適なテント泊を楽しみました。
本記事では、雁坂小屋テント場の様子や泊まった感想、6月と12月で異なる雁坂峠付近の景観や、私が行った古礼山の景色を紹介したいと思います。
雁坂小屋へ登るための登山ルート
雁坂小屋へ登るための登山ルートは以下のように5通りもあり、さすが日本三大峠だなと思わされる、道の多さです。
- 道の駅みとみ(山梨県)から登ってアクセス 標準コースタイム:3時間50分
- 川又登山口(埼玉県)から登ってアクセス 標準コースタイム:6時間15分
- 豆焼橋(埼玉県)から登ってアクセス 標準コースタイム:4時間35分
- 奥秩父主脈縦走路を甲武信ヶ岳方面からアクセス
- 奥秩父主脈縦走路を笠取山方面からアクセス
一番人気のルートは1の山梨県側の道の駅みとみから登るルートで、以下の周回ルートが人気です。長い道のりなので、雁坂小屋または甲武信小屋で宿泊することになります。
道の駅みとみ~雁坂峠~甲武信ヶ岳~西沢渓谷へ下山~道の駅みとみ
私の場合は北関東在住で、埼玉県側からアクセスすることになるので、2か3の登山口が近く、両方とも歩いたことがあります。
雁坂小屋のテント場を紹介
雁坂小屋テント場の基本情報は以下です。
- 料金:1泊1人1,500円(2025年4月現在)
- 開設期間:年中(山小屋営業は4月末から11月末)
- 張数:30張
- 予約の要否:不要
- 水場:小屋横(冬は約1km秩父側の沢へ汲みに行く)
- トイレ:あり
- docomo電波:良好
山小屋営業は春から秋ですが、それ以外の期間も利用できるよう開放してくれており、料金箱へお金を入れて利用します。私が12月行った時も管理人不在だったので、料金箱へテント泊料金を入れて、利用させてもらいました。
雁坂小屋
雁坂小屋の外観を紹介します。以下の写真が宿泊用の小屋です。
向かいには、受付や物品販売する管理小屋があります。
下の写真は2つの建物全景です。青い屋根と赤と茶色の壁が、なんともレトロな雰囲気を醸し出し、奥秩父の景観に合っています。
12月に行った時は管理人が不在で、小屋泊はたった一人で、テント泊も私一人だけでした。
宿泊小屋の内部は以下のようになっています。
これが冬季用の料金箱で、2022年の時点でテント泊1,000円でしたが、今は1,500円に値上げされています。
テントサイトの様子
雁坂小屋テントサイトの様子を紹介します。
テントサイトは開放的な雰囲気があります。特に私が行った6月の新緑シーズンは、木々の緑色が映えて気持ち良かったです。
テント場からの眺めは良いとは言えず、木々の間から遠くの山々をわずかに見え程度でした。
トイレ
トイレは面白いことに、登山道が貫通するような構造になっています。
小便するところが外にあるので、女性の方がここを通過する際はちょっと躊躇してしまうかもしれません・・。
水場
水場は小屋横に引かれていました。
上の写真の水源は小屋から約1km秩父側へ歩いたところにある、豆焼沢です。冬期は上の水場は撤去されるため、自分で豆焼沢へ汲みに行く必要があります。小屋から秩父の川又方面登山道を約1km行くと、昇竜の滝という看板があるところに小さな滝があり、冬はそこで水を汲みます。
12月は寒かった
12月のテント泊は私一人で、他にテント泊する方はいませんでした。寂しくはありますが、独占利用できたので、気楽でした。
12月の夜はやはり寒かったです。寒さの度合いは、地面に霜柱ができるくらいの感じでした。
6月はテント泊する人は多かった
一方、新緑が綺麗な季節の6月に行ったときは、テント泊する方は多く、ほぼ満員の状態でした。12月の閑散とした地味なイメージを持っていましたが、ここまで華やかになるものなのかと驚きでした。奥秩父の夏は暑すぎるので、もしかしたら、新緑の6月はベストシーズンなのかもしれません。
雁坂小屋から、雁坂峠と古礼山を山歩き
雁坂小屋周辺の見どころは雁坂峠からの眺めですが、少し足を延ばして奥秩父主脈縦走路を歩くと、雁坂嶺や古礼山へ行くこともできます。雁坂嶺や古礼山は、大展望というわけではないですが、合間から見える富士山と奥秩父の山々の景色が良く、奥秩父らしい苔が似合う独特な雰囲気を持った登山道歩きが楽しいです。
12月に行った雁坂峠の風景と6月に行った古礼山の風景を紹介します。6月と12月の雁坂峠の風景比較もしてみます。
12月でも雁坂峠からの景色は良かった
12月の雁坂峠は、木々が枯れて少し茶色ががった山々の風景を見ることができました。背後に見える富士山がポイントとなり、素晴らしい絶景を作り出していました。
古礼山~笠取山~雲取山へ続く縦走路が、奥秩父の山深さを感じさせてくれます。
下の2枚の写真は、同じ角度で撮った、12月と6月の雁坂峠からの奥秩父主脈縦走路の風景です。全然色合いが異なるのが分かると思いますが、どっちも美しいと思います。ですがやはり私は、真緑の6月の風景の方が好きですね。
6月に新緑の古礼山で静かな山歩き
6月に雁坂小屋でテント泊した際、古礼山まで往復してみました。雁坂小屋からの標準コースタイムは、行きが1時間20分、帰りは1時間15分です。
下の写真のような、新緑の登山道歩きが本当気持ち良かったです。
古礼山の山頂自体は眺めがありませんが、少し進むと展望ポイントがあります。
展望ポイントからは、木が枯れた奥秩父らしい独特な風景と、富士山をバックにした奥秩父と山梨の山々の風景が素晴らしかったです。
この風景は、北や南アルプスで見ることはできない、奥秩父だけの独自で貴重なものなので、もし行ったことないなら、一度訪れてみることをおすすめします。
まとめ
奥秩父の雁坂小屋テント場に泊まったので、12月と6月の景色を比較しながら、テント場の様子と泊まった感想を紹介しました。
雁坂峠から見える奥秩父らしい景観は、他の山域では見ることができない独特なもので、一度は訪れた方がよいと思います。
その際は、雁坂小屋にテント泊してゆっくりすると、さらに奥秩父の山深さを感じることができ、満足感を得られるのではないかと思います。