北アルプス 立山エリアにある五色ヶ原とは?
北アルプスの立山三山の近くにある五色ヶ原は、昔火山の噴火で流出した標高2,500mのだだっ広い溶岩台地で、美しい草原に池塘が点在し、綺麗な花が咲き乱れています。
そして、周囲は360度山に囲まれており、立山三山、後立山連峰、赤牛岳、鷲岳、鳶山など様々な山の風景を眺望することができます。
五色ヶ原には、立山室堂、薬師岳、黒部ダムなどから登山道でアクセスでき、五色ヶ原山荘とそのテント場(五色ヶ原キャンプ場)に宿泊することができます。
下の写真は、鳶山の山頂から五色ヶ原を見下ろしたものです。池塘が点在している美しい台地となっています。
五色ヶ原山荘とテント場(五色ヶ原キャンプ場)
私は、扇沢から黒部ダムへ行って、2泊3日で立山周辺を縦走した際、2024年8月3日から1泊で五色ヶ原キャンプ場に宿泊しました。花がたくさん咲く台地で、楽園気分のテント泊をして非常に満足度が高かったです。
本記事では、その満足度の高いテント場の設備や様子を紹介したいと思います。
下の写真が、五色ヶ原キャンプ場です。山荘(上の写真)とは徒歩10分程度の距離だけ離れていますが、テント場用のトイレ、水場があり、設備がしっかりしているため快適にキャンプできます。
五色ヶ原キャンプ場へのアクセス方法
五色ヶ原キャンプ場への行き方ですが、以下の3方向からアクセスできます。
- 立山室堂から:標準コースタイム5時間30分
- スゴ乗越小屋から(薬師岳方面):標準コースタイム6時間10分
- 黒部ダムから:標準コースタイム8時間20分
上の3つの中で、最も一般的で人気のアクセス方法が立山室堂からです。テント泊の荷物が重いので、できるだけ歩行距離が短いルートが望ましいですからね。
日本百名山の薬師岳方面のスゴ乗越小屋からも行けますが、そもそも薬師岳を経由してスゴ乗越小屋に行くのも大変なので、上級者向けですね。
黒部ダムからも行けますが、コースタイムが長いです。。
一般的なルートである立山室堂からコースを以下に示します。
室堂から出発して、室堂山、浄土山、龍王岳、鬼岳、獅子岳の5つもの山を経由し、絶景が連続するルートです。全行程で見どころ満載です。私が行った時は龍王岳までは良かったのですが、鬼岳と獅子岳ではガスっていたのが残念でしたが。
登山道は以下のような感じで、森林限界を超えたところを歩きます。アップダウンがあって、結構疲れます。
特に、室堂山展望台および龍王岳山頂からの眺めがとても素晴らしく、是非とも立ち寄ることをおすすめしたいです。
下の写真は室堂山展望台からの景色です。日本百名山の薬師岳への稜線が非常に美しく見えます。
下の写真は龍王岳山頂からの眺めです。立山三山から剣岳までの稜線を一望できます。
ここから眺める立山三山は、今回私が歩いた中で一番良かったと感じました。雄山山頂から見る景色よりも美しく感じ、忘れらない風景でした。
獅子岳を過ぎてザラ峠へ一旦下って、それから再び登ると、ようやく五色ヶ原山荘とキャンプ場への分岐に出ます。山荘とキャンプ場は距離があるので、テントを張った後に受付をしても良いとのことです。
私は五色ヶ原を見たかったので、テントを張る前に山荘へ向かいました。
五色ヶ原は素晴らしい草原風景でした!右に見えるピークは、鷲岳で一般登山道はないですが、ネットの記録によると踏み跡があって登山はできるようです。
ここからずっと奥の方へ、日本百名山の薬師岳への登山道が続いています。
五色ヶ原キャンプ場の基本情報・設備
五色ヶ原キャンプ場の基本情報、設備を以下に示します。
基本情報
開発期間、料金は以下の通りで、テント泊については予約不要とのことです。私が行った時は天気が良かったので登山者が多く、土曜日だったし、だいたいテント場の8割~9割くらいは埋まっていたと思います。
- 開設期間:7月上中旬~10月上旬
- 料金:1泊1人2,000円(トイレ利用料込み)
- 予約:予約不要
- スマホ(docomo)の電波:良好
トイレ
トイレは下の写真の建物で、私は利用していませんが洋式でした。男性の小の方は、昔あった横並びでするタイプでした。
山荘とテント場が離れている場合、トイレのためにわざわざ小屋まで行く必要あるテント場もありますが、ここは立派なトイレが併設しているので便利でした。
水場
水は沢水ですが、蛇口から勢いよく出っぱなしになっており、安心して利用できたのが良かったです。ネットの口コミによると枯れるときもあるようで、その場合は室堂から持って行くか、山荘で500mlペットボトル(450円)を買う必要あるので大変です。
煮沸して飲んでくださいとのことですが、私はお構いなく2リットルくらいそのまま飲みましたが、特にお腹を壊すことはありませんでした。
何か問題があったら困るので、国からの指導でこのような注意書きをしている、という話を他の登山者から聞きました。
ちなみに水の取水口は以下の沢でした。ちゃんと流れがあったので、特に体に悪いことはないと思います。少し細いので、雨が降らないと枯れるかもしれませんね。
五色ヶ原キャンプ場で過ごした様子
五色ヶ原キャンプ場で過ごした様子を紹介したいと思います。
五色ヶ原山荘で受付を行い、10分かけて木道を下ったところにテント場はありました。
あたりはチングルマが一面咲いており綺麗でした。ですが、もっといろんな種類の高山植物が咲いているかと思いきや、テント場周辺で私が見かけたのはチングルマだけでした。私があまり花に興味ないので、見つからなかっただけかもしれません。。チングルマだけは群生がすごかったです。
下の写真は私のテントです。テント場からは立山三山、後立山連峰、赤牛岳などが目の前に広がり、素晴らしい景観です。
テント場に到着したのは12時半くらいで、この時は数張だけでしたが、続々とテント泊登山者が訪れ、夕方には8割~9割くらいは埋まっていたと思います。
石がごろごろしていますが、各サイトそれぞれ区切って整地されていました。大きな石がたくさんあるので、ペグは不要でした。
この日は基本的に天気良かったですが、雲が多くて周囲の山がよく見える時間帯は限られていました。
夕方、立山三山と針ノ木岳方面が綺麗に見えました。北アルプスの山々が180度の方向すべてに広がっており、圧巻でした。綺麗な高山植物とこの絶景が両方味わえるキャンプ場は貴重な存在だと思います。
鳶山まで往復
キャンプ場には早く到着したので、薬師岳方面にある鳶山というピークまで散歩がてら行ってみました。五色ヶ原山荘から鳶山までの標準コースタイムは往復1時間30分です。
ガスが多いので、山頂でしばらく晴れるのを待ってみました。じっくり待つと、五色ヶ原山荘付近の風景や、薬師岳方面の稜線が姿を見せてくれました。だだっ広い草原に池塘が点在しているのも分かり、五色ヶ原まさに楽園という感じの場所です。
下の写真は鳶山へ向かう中腹からの風景です。猛暑のため例年より少ないでしょうが、まだ雪が残っていました。
翌朝は扇沢へ下山
翌朝は黒部湖に下り、湖沿いの登山道を歩いて黒部ダムまで行き、そこから電気バスで扇沢へ戻りました。
黒部湖沿いのルートは平坦な道を期待していましたが、意外にアップダウンがあり、また距離も長いので意外に疲れました。。暑かったですが、途中沢をいくつか横切るので、そのたびに水分補給できたのが良かったです。
まとめ
立山の五色ヶ原山荘テント場で、花と山の絶景の素晴らしい環境の中、楽園気分でキャンプした様子をまとめました。
五色ヶ原キャンプ場は、迫力ある北アルプスの山々を間近に見ながら、さらに、綺麗な花々の鑑賞も楽しめる、素晴らしいキャンプ場だと思います。
山荘からは離れているため、テント泊受付や売店の買い物は大変ですが、トイレと水場の設備はしっかりしており、快適に過ごすことができます。
立山室堂からであれば、標準コースタイムもそんなに長くなく、アクセスしやすいです。ルート上の連続する絶景も見どころです。
立山エリアを登山する際は、五色ヶ原キャンプ場の宿泊を是非おすすめします。