Trip by myself

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【北アルプス残雪期】GWに蝶ヶ岳ヒュッテでテント泊して、蝶ヶ岳から常念岳へ縦走した様子を紹介

ゴールデンウィーク(5月)に雪山テント泊で蝶ヶ岳から常念岳を縦走

蝶ヶ岳は標高2677mの北アルプスにある山で、槍ヶ岳や穂高岳などを見渡せる絶好の展望スポットとして人気の山です。

日本百名山や二百名山などには指定されていませんが、厳しい北アルプスの山々の中でもアクセスしやすく、また山頂直下には山小屋の蝶ヶ岳ヒュッテがあるため、多くの登山者が訪れます。

蝶ヶ岳ヒュッテは、例年ゴールデンウィーク(GW)が始まる4月末頃から、冬期休暇が明けて営業開始します。GWの時期は平地は暖かいですが、さすが北アルプスだけあって残雪が多く、蝶ヶ岳は雪山登山となり、それなりの装備(12本爪アイゼンやピッケル)が必要となります。

2023年のGWに蝶ヶ岳~常念岳をテント泊縦走登山をした

私は2023年のGW(2023/5/1から1泊)に蝶ヶ岳ヒュッテでテント泊し、蝶ヶ岳から常念岳まで縦走登山をしました。

5月の北アルプスは普通に雪山なので雪庇など危険箇所が発生している可能性があり、テント泊の重い荷物を背負って縦走できるか心配でしたが、なんとか行ってこれました。

天気は快晴で素晴らしい景色の連続で、蝶ヶ岳ヒュッテのテント泊と縦走した様子を本記事にまとめたいと思います。

GWの蝶ヶ岳~常念岳縦走の登山コース

私がGWに蝶ヶ岳から常念岳まで縦走したコースは、長野県安曇野市の三股駐車場からの周回コースです。

下の地図で"S"の地点の三股駐車場を出発して分岐左側のルートを通って蝶ヶ岳まで登り、蝶ヶ岳ヒュッテにテント泊し、そこから常念岳まで縦走して三股駐車場へ下山しました。

常念岳から三股駐車場への下りは非常に長く、テント泊の荷物を背負って長距離を下山するのはきつかったです。。蝶ヶ岳へ登る場合、距離が長い常念岳方面からアクセスするのはきついのでおすすめできないですね。

このコースの標準コースタイムは以下でした。

 三股駐車場から蝶ヶ岳:5時間

 蝶ヶ岳から常念岳:4時間25分

 常念岳から三股駐車場:5時間20分

1日目は5時間、2日目は9時間45分なので、2日目はきつかったです。

三股駐車場から蝶ヶ岳まで登った様子

三股駐車場から蝶ヶ岳まで登った様子を紹介します。

三股駐車場は、上高地に入らなくとも北アルプスへアクセスできる、便利な駐車場です。GWの時期は当然混みますが、私が行ったときはGW連休の間の平日(月曜日)であったので、朝7時到着でなんとか駐車できました。5月3日とか祝日であれば、前泊した方が良いでしょう。

駐車場から歩き始めてしばらくは雪がない夏道を歩きます。

下の写真は水場の力水です。

これは有名な"ゴジラみたいな木"ですね。

休憩スペースのまめうちだいらを過ぎて少し進むと、雪が増え始めてきました。登るにつれて深くなってきますが、トレースがしっかりしているので問題ありません。

傾斜がきつくなってきて、アイゼンを装着しました。

山頂手前は傾斜がきつく、歩きにくい雪道のため、非常に疲れました。。天気が良くて太陽もまぶしかったです。

山頂に到着しました。天気が良く、穂高連峰の眺めが良かったです。雪をかぶった北アルプスの山々は美しく、夏山と違って見応えがありました。

下の写真のように、山頂から5分くらい歩いて下ったところに、蝶ヶ岳ヒュッテがあります。山小屋が山頂すぐ近くなのは便利でいいですね。

私はこの後蝶ヶ岳ヒュッテでテント泊をしました。

蝶ヶ岳ヒュッテテント場の基本情報と泊まった様子

蝶ヶ岳ヒュッテのテント場の基本情報は以下です。

  • 料金:1泊1人2,000円(2025年2月現在)
  • 開設期間:4月末~11月初旬
  • 張数:30張
  • 予約の要否:不要
  • 水:有料 200円/L
  • トイレ:山小屋脇にあり、綺麗でした。
  • docomo電波:テント場はつながりませんでしたが、山頂方面を少し歩くとつながりました。

強風の中テント設営

GWの北アルプスはまだ冬のなごりがあるせいか、風が非常に強くてテントを張るのに苦労しました。ちゃんと抑えていないと風でテントが飛ばされるくらいの強風がずっと吹いており、ペグを打っては外れ、というのを繰り返したので、テントを張るのに1時間くらいかかりました・・。

私は以下の写真のように、雪の上にテントを張りました。

小屋の近くで安心と思って上の場所を選びましたが、私のテントの近くへ他に張る人はいませんでした。。他のテント泊の方は、雪がない場所や、穂高連峰が眺望できる場所に張っていました。強風を防ぐため、持参したスコップで穴を掘ってそこにテントを張る方もいました。

この日はテント場に10時半頃に到着したものの、テントを張り終えた時には12時半くらいになっていました。夜中までずっと強風だったので、テントが飛ばされるの心配で、テントを離れて周辺散策をすることができませんでした。雪上テント泊のため、竹ペグやスコップなどの道具を持ってくれば良かったかな、と思いました。

水が割高なので雪を融かして作った

蝶ヶ岳ヒュッテには水場はなく、有料の1リットルで200円と割高なので、雪を融かして水を作りました。GWの時期は雪が古くてあまり綺麗ではないため、採取が大変でした。。

融かした雪を使い、夜はレトルトパスタ、朝は棒ラーメンを作りました。

翌朝は強風も止んでおり、天気も快晴で、素晴らしい朝焼けの穂高連峰の姿を見ることができました。

私が張ったテントから1分歩くと、下の写真のような絶景を見ることができました。蝶ヶ岳ヒュッテのテント場のロケーションは素晴らしいです。

それからテントをたたんで、常念岳の方へ向かいました。多くの蝶ヶ岳ヒュッテ宿泊者が、綺麗な風景を眺めていました。

蝶ヶ岳から常念岳まで縦走した様子

蝶ヶ岳から常念岳までの区間は、積雪でルートが分からなくなっていないか、危険箇所がないかなど、不安がありながらの縦走となりました。

実際歩いてみたところ、積雪はしっかりあって夏道は埋まっており、かつ、歩く人はそこまで多くないせいか、トレースの薄い箇所がいくつかありました。そのため、遠くまで見通せる晴れた日に歩いたほうがいいかなと思いました。また、傾斜が急な雪の斜面を歩く場面があって多少ヒヤッとしたので、やはりピッケルは必携だと思いました。

縦走路で出会った登山者は、だいたい10名程度でそこまで多くはありませんでした。

蝶ヶ岳ヒュッテは出発してからしばらくは、下の写真のような絶景ルートが続きます。左手に槍ヶ岳から穂高岳の山々、正面に常念岳が見えました。

ルートは以下のように積雪が多く、トレースもそこまで多くありません。天候が悪い場合はトレースが消えてしまっていたり、見落とす場合があるかもしれず、注意が必要ですね。

ここは高度感のある場所で、ピッケルでしっかり体を支えながら歩きました。

常念岳のピークが近くに見えてきて、岩場が増えてきます。山頂まで距離は結構長いですが、傾斜は緩やかでそこまで危険箇所はありませんでした。

岩場では、岩に手をついて登るので、ピッケルが邪魔でした。ザックに括り付けて歩けば良かったかなと思いました。

最後の斜面を登って山頂に到着しました!

山頂からの眺めは絶景でした!夏の時期の緑色の山々もいいですが、雪で白々した山も綺麗です。この日は天気が良くて、最高の登山日でした。

下の写真は常念岳より北側の大天井岳や燕岳方面です。

槍ヶ岳も見えました。

山頂でたくさん写真を撮った後は、三股駐車場へ向けて長い道のりを下山しました。

下の写真は、常念岳山頂直下から、山頂を振り返ったものです。こうやって見ると、山頂直下は結構急ですね。

前常念岳あたりに石室という避難小屋がありました。外観はぼろぼろで、扉も壊れているようでしたが、中は岩の壁で作られた空間となっており、緊急時にテントを張って使うのでしょう。

ずっと下っていくと完全に雪はなくなり、三股駐車場はまだかなと何度も思いながら、ひたすら下山しました。

12時半ごろ、無事に三股駐車場へ到着して下山完了しました。

まとめ

ゴールデンウィークに蝶ヶ岳ヒュッテでテント泊し、蝶ヶ岳から常念岳へ縦走した様子をまとめました。

蝶ヶ岳から常念岳は北アルプス入門の縦走路として夏に多くの登山者が訪れますが、GWに行くと、雪山装備は必要となります。ですが、夏とは異なる雪のかぶった綺麗な山々の景色を楽しむことができました。

GWの蝶ヶ岳~常念岳縦走は是非おすすめしたいですが、雪が多くて登山者はそこまで多くないため、ある程度雪山に慣れてから挑戦すると良いかなと思います。

三股から蝶ヶ岳のピストンであれば、登山者は大勢いて、蝶が岳ヒュッテも営業しているため安心して登山できると思います。また蝶ヶ岳ヒュッテに泊まれば、北アルプスの山々の夕焼けや朝焼けの景色を楽しむことができるのも魅力的です。

GWの北アルプス登山は、厳冬期と比べて手軽に北アルプスの雪景色を楽しめるので、立山や槍ヶ岳など、今後も挑戦してみようと思います。