
熊野古道の小辺路を2泊3日のテント泊で歩いた
私は2025年4月末のGW始め頃に、熊野古道の小辺路(高野山から熊野本宮まで約70km)を2泊3日のテント泊で歩きました。
荷物は重いが自由にテント場を選べて快適だった
テント泊は重い荷物を背負い、アップダウンがある長距離(約70km)の山道を歩くので、非常に疲れました。足と肩に負担がかかり、歩くのは大変でしたが、テント泊だと無料で宿泊することができ、テント場を柔軟に選べるため快適で、テント泊で歩くことは今回の小辺路歩きに非常に重要なポイントでした。
熊野古道は原則テント泊は禁止されておらず(熊野古道や文化財を傷つけなければ)、小辺路のルート上の好きなところにテントを張れるのです。そうすると、長距離のルート上で自分の好きな時に好きなタイミングでテント場を選べるので、登山計画の自由度が非常に高かったです。
結果的にテント泊で小辺路ルートを完歩することができ、素晴らしいロングトレイルの旅となりました。
下の写真は、私が今回の小辺路トレッキングで持ち歩いた荷物です。歩行時間がかさむにつれて、肩と足首あたりの痛みが激しくなりました。。

小辺路のテント泊にちょうど良い場所9選を紹介
ところで私が今回小辺路へ行く前、ルート上のテント場をどこにしようか、ネットでいろいろ探してみたのですが、ある程度の情報はつかめましたが、結局どこにテント場の適地があるのか、全体像がつかめませんでした。
そして今回実際に、どこにテント場の適地があるかを意識しながら小辺路を歩いてみて、だいたい掴むことができました。
そこで、テント場にちょうど良い場所はどんなのがあるか、9ヶ所をピックアップしたので以下に紹介したいと思います。
テント場にちょうど良い場所は、トイレや水場設備の充実度合い、地面の平坦さ、眺めが良いかどうかなどの基準で選んでいます。
9ヶ所のテント場の場所
ピックアップした9ヶ所のテント場の場所を以下の地図に示します。目印のマークをクリックすると、場所の名称が表示されます。北から南方面へ順番に以下の名称です。
- 大滝集落
- みどりと歴史のビューポイント
- 萱小屋跡
- 伯母子岳避難小屋
- 上西家跡
- 三浦峠
- 古矢倉跡
- 天水田
- 観音堂
高野山から熊野本宮まで、テント場の適地9ヶ所はまんべんなく存在していますが、唯一、三浦峠を下って、そこから果無峠を登り始めるまでの区間(古矢倉跡から天水田)は、十津川村集落の車道歩きとなり、テント場適地がありませんでした。
この区間が割と長いので、古矢倉跡と天水田の間に、もう一つテント場適地があれば良いなと思いました。
それでは9ヶ所のテント場適地をそれぞれ以下に解説します。
1. 大滝集落
最初に紹介するのは、大滝集落内にある広場です。トイレと水場の両方備えており、設備は良いです。
周囲は人が住む民家が並んでいたので、テント泊に集中できるかどうか心配ではありますが、他のブログの情報によると、むしろ大滝集落の方は歓迎してくれているようで、快適にテント泊できたとのことです。
- トイレ:あり
- 水場:あり
トイレは道路をはさんでこの広場の向かい側にあります。


水場は、下の写真の大滝集落へ入る分岐をまっすぐ進んだところにあります(葵の井戸)。

2. みどりと歴史のビューポイント(水ヶ峰近くの休憩所)
2つ目に紹介するのは、みどりと歴史のビューポイントという、水ヶ峰近くにある車道(林道タイ原線)に面した休憩所です。トイレも水場もなく、ただ東屋があるだけですが、眺めが良かったので、キャンプしたら気持ちいいだろうなと思いました。
- トイレ:なし
- 水場:なし


この時は曇っていましたが、下の写真のように、周囲の山々を見渡せる眺めが良いロケーションでした。

最寄りの水場は、コースタイムで約2時間手前の大滝集落なので、ちょっと遠いですかね・・。
3. 萱小屋跡
3つ目に紹介するのは、伯母子岳へ登る途中にある萱小屋跡です。
ここは避難小屋があるため、テント泊より小屋に泊まった方が快適かもしれません。避難小屋は収容人数3名程度の小さいものですが、小屋前にある薪が使い放題となっています。また、セルフでビールとジュースも購入できるようになっていました。小屋は個人の方が管理されているようで、ありがたいことです。
ただし、トイレはないようでした。
- トイレ:なし
- 水場:あり

私は高野山出発後の1泊目に、ここでテント泊しました。鬱蒼とした樹林帯なので少し寒かったですが、静かに過ごすことができ、真っ平に整地されてテントを張りやすかったので、快適に眠れました。
この日避難小屋に夫婦が2名宿泊していました。小屋泊をすすめられましたが、プライベート感がほしかったので、お断りました。


水場は登山地図に記載ないですが、小屋のオーナーが水を引いてくれているようで、下の写真のようにチョロチョロと出る水場がありました。

4. 伯母子岳避難小屋
4つ目に紹介するのは、伯母子岳山頂直下にある、伯母子岳避難小屋です。
私は避難小屋に寄らず直接山頂へ行ったので、避難小屋とテント場の写真はを撮ることができませんでした・・。
ですが、登山地図やネット情報だと避難小屋に加えてトイレと水場もあるとのことで、充実した設備です。
- トイレ:あり
- 水場:あり

伯母子岳山頂からは360度の絶景が見られるので、避難小屋またはテント泊して朝日や夕日を拝むとよいでしょう。
5. 上西家跡
5つ目に紹介するのは、伯母子岳から南へ下った途中にある上西家跡という場所です。伯母子岳を下山していると、急にまっ平らでだだっ広い空間が現れたので、何かと思ったら、昔宿泊所があった跡地だそうです。
トイレや水場の設備はないですが、広々した空間なので、ここにテントを張ったら気持ち良いだろうなと思います。
- トイレ:なし
- 水場:なし



最寄りの水場は、コースタイムで所要約45分手前のところにある伯母子岳避難小屋近くです。
6. 三浦峠
6つ目に紹介するのは三浦峠で、ここは三浦集落から山道を登り切った標高1,145m地点です。ここには東屋とトイレがあり、テントを張れるスペースもありました。
- トイレ:あり
- 水場:なし


ここに水場はありませんが、手前(北側)徒歩約45分のところに三十丁の水という水場があるので、そこで汲んで持って上がれば良いでしょう。

7. 古矢倉跡
7つ目に紹介するのは、三浦峠を南方面へ越えた先にある古矢倉跡という場所です。もともと茶屋があった場所のようです。
- トイレ:なし
- 水場:あり

下の写真のように、テントが張れるまっ平らなスペースが十分ありました。

水場は非常に細いですが、そばに沢が流れていました。仮にここが枯れていたとしても、三浦峠方面へ少し進むと、もっと水量の多い沢があったので、そこで水を確保できるでしょう。

8. 天水田
8つ目に紹介するのは、果無峠へ登る途中にある天水田という場所です。ここは昔雨水だけで田んぼを作っていたところらしいです。そんなことできるのか?、と思いましたが。。
トイレと水場はないですが、ここからは周囲の山々が見えて素晴らしいロケーションでした。
- トイレ:なし
- 水場:なし

私は2日目にここでテント泊しました。
平らでテントを張りやすく、何より周囲の山々が見えるロケーションが良かったです。夕方に鹿が泣いていましたが夜は静かで、快適に眠れました。


ここに水場はないのですが、コースタイムで約40分手前にある果無集落内の水場で汲んで持ってあがりました。

9. 観音堂
最後に紹介するのは、果無峠直下にある観音堂です。観音堂に仏様が祀られています。
ここは水量豊富な水場に加え、トイレまであり、テント泊には最適な場所です。ただ、そこまで広くはなく、張れるのは数張程度でしょう。私がここを歩いた時は1張ありました。
場所は果無峠手前で熊野本宮にも近い場所で、熊野本宮に到着する前夜に泊まるとちょうど良い場所だと思います。
- トイレ:あり
- 水場:あり


下の写真のように水場は勢いよく常時流れていました。奥に見えるのがトイレです。

熊野古道のトレッキングはテント泊がおすすめ
テント泊による小辺路歩きは、荷物が重くてつらいのが難点ですが、多くのテント場があるので、疲れたらいつでもテントを張れるのが良いです。
小辺路だけでなく他の熊野古道においてもテント泊は禁止されていないので、是非ともテントを担いで自由に好きな場所にテントを張りながら、熊野古道歩きを楽しんでほしいと思います。私も別の機会に、今度は中辺路をテント泊で歩こうと思っています。

まとめ
熊野古道の小辺路において、テント泊にちょうど良い場所9選を紹介しました。場所を選ばなければ、テントはどこでも張れますが、いろんな条件を加味すると、上に紹介した9ヶ所がちょうど良い場所かな思います。
テント泊で小辺路を歩く予定の方にとって参考になればよいなと思います。