Trip by myself

ツアーを使わず、すべて自分でアレンジ!普通のサラリーマンが行った、"格安旅行"(主にアジア圏)で見た景色や、旅行ノウハウを紹介!最近ハマりだしたキャンプ、久々に再開した登山の情報も紹介!

【熊野古道】小辺路を2泊3日のテント泊で完歩した様子と感想を紹介

熊野古道の小辺路を2泊3日テント泊で歩いた

熊野古道の小辺路は、高野山から熊野本宮までの約70kmにおよぶロングトレイルのことです。昔の人々が、高野山および熊野本宮へ向かうための参詣道として歩かれてきた道で、同時に生活道路としても利用されてきました。

この70kmの区間は、山々をつなぐ一般的な登山道とは性質が異なり、人が生活するための道路や車道も含んでいるのが特徴で、山の自然風景だけでなく人々が暮らす山村の道も歩くルートです。登山好きな人がこの道を歩くと、山の景色以外にも里山風景も楽しむことができ、新たな発見をもたらしてくれるかもしれません。

4つのピークを越える必要ある

なお、熊野古道には6つのロングトレイルコースがありますが、山々だけをつなぐ大峰奥駈道を除くと、小辺路はアップダウンがきつくて最も険しいルートとされています。

特に、道中にある水ヶ峰、伯母子岳、三浦峠、果無峠の4つのピークが厳しく、上ってもまた下るを繰り返すことで、体力を奪われていきます。

GWの時期に歩いた

私は2025年4月25日(金)から2泊3日で、熊野古道の小辺路をテント泊で歩きました。GW真っ只中というわけではないので、他に歩いている人は意外なほど少なく、静かに山歩きを楽しめました。

本記事では、私が小辺路を歩いて見た景色や様子、感想をまとめたいと思います。

熊野古道小辺路トレッキングの概要

最初に今回の小辺路トレッキングの概要をまとめたいと思います。

歩いた時期

2025年4月25日(金)の午前12時半に高野山を出発し、4月27日午前10時過ぎに熊野本宮に到着しました。

私は自家用車で関東から朝3時半に出発し、約7時間半かけて高野山に到着しました。それから少しだけ高野山のお寺を観光した後、小辺路トレッキングを開始したので、出発は午前12時半となりました。

なお、GWの時期は、暑すぎず、寒すぎず、熊野古道歩きにはベストシーズンだと思いました。歩行時は汗をかくので、Tシャツ一枚で歩きました。

小辺路の登山ルート

全長70kmの小辺路の登山ルートは、以下のようになっています。

地図の下に標高の情報もありますが、上って下りてを繰り返しているのが分かると思います。このアップダウンによって体力が奪われるのです。。

標準コースタイム

高野山から熊野本宮までの標準コースタイムの合計は、なんと24時間15分です。1日寝ないで歩けばたどり着けかもしれませんが、それはきついです。ヤマレコとかの記録で、トレランで夜中出発して1日で完歩した人もいたようですが。。

私が歩いた行程の標準コースタイムは以下です。

  • 1日目:高野山~萱小屋跡 (標準コースタイム:6時間55分)
  • 2日目:萱小屋跡~天水田 (標準コースタイム:12時間20分)
  • 3日目:天水田~熊野本宮 (標準コースタイム:5時間)
出発/到着時刻

出発と到着時刻は以下でした。

  • 1日目:出発 午前12時半~到着 午後6時
  • 2日目:出発 午前5時~到着 午後5時
  • 3日目:出発 午前5時~到着 午前10時

2日目はちょうど良い場所にテント場がなく、行動時間が長くなってしまいました。普段はコースタイムより早めに歩けるのですが、テント泊装備を持っており、疲れが蓄積されていたので、ちょうど12時間くらいかかりました。ただ、日は長い時期なので、夕方5時や6時でもまだ明るくて問題ありませんでした。

登山口駐車場と下山後の車回収

高野山では、お助け地蔵尊前駐車場に車を停め、お助け地蔵尊のところから入山してトレッキング開始しました。

熊野本宮へ下山後は、バスと電車で再び高野山へ戻って車を回収しました。

下の写真が、お助け地蔵尊前駐車場です。この近くにだだっ広い大門南駐車場もありますが、平日でも土日でも、がら空きでした。

かかった費用

入山して下山するまでにかかった費用は、ジュースとセブンティーンアイスで合計620円のみです(小辺路歩き以外の交通費や飲食費は除きます)。

やっぱりテント泊にお金がかからないの良いです。熊野古道はテント泊が原則禁止されておらず、テントを張るのに適した場所さえちゃんと選べば、無料でテント泊できるのが素晴らしいです。

最近どこの山へ行っても、指定地以外におけるテント泊は禁止されているので・・。指定地にテントを張ったとしても、1泊2,000円とか高額です。。

下の写真は、果無峠手前の天水田という場所で、眺めが良くて最高テント場でした。

小辺路を2泊3日テント泊で歩いた様子

ここからは、小辺路を2泊3日テント泊で歩いた様子を紹介します。

トレッキング全体を通して気づいたこと

最初に、小辺路トレッキング全体を通して気づいたことをまとめておこうと思います。今後同じルートを歩く方の参考になれば幸いです。

1. ほとんど登山者とすれ違わなかった

今回、金、土、日曜日の3日間歩きましたが、他の登山者とほとんど会いませんでした。伯母子岳あたりで6人(うち2人は夫婦)、果無峠あたりで3人、熊野本宮近くで外国人グループ1組だけです。

世界遺産の登山道なのにこんなもの?、という感じでした。このルートは時間がないと行けないし、部分的に歩くには交通アクセスが悪いからでしょうかね。。

しかしその分、3日間本当静かに歩くことができ、最高の時間を過ごせました。また、人が歩いていない割に、登山道は荒れておらず、きっちり整備されていたので安心して歩けました。

2. 登山ルートはほぼ展望がない、低山の登山道みたいな雰囲気

小辺路のルートはほとんど標高1,000m未満となるので、基本的に樹林帯に囲まれており、ほとんど周囲の山の眺望はありません。私はよく関東の低山を登りますが、まさに低山の登山道を歩いている感覚でした。

眺めがないのは残念ですが、たまーに樹木の間や、伯母子岳山頂などから綺麗な景色が見える瞬間は、貴重なひと時でした。

3. 車道歩きが多い

登山道に関して、あまり眺めが良くないだけでなく、車道歩きが多いという難点もあります。全行程のだいたい1/4くらいは舗装道路の印象でした。

小辺路は生活道路も含むということなので、昔は普通の土の道だったが、今は舗装されたということなのでしょう。

登山靴でアスファルトの上を長時間歩いたので、足がかなり痛くなって大変でした。。

4. 登山靴で足が痛くなるかも

小辺路歩きはアップダウンのある登山道、アスファルトの道路、整地された土の林道など様々な種類の道を歩きます。すべてに対応した靴が望ましいですが、難しいです。

私は登山靴で歩きましたが、アスファルトの道路でかなり足が痛くなった気がします。もしかしたらトレランシューズとかであれば緩和されたかもしれませんが、それだと重い荷物を持ってアップダウンのある山道を歩けないかもという懸念があり、ちょっと正解は分かりませんでした。。

5. 昼はTシャツ1枚で歩き、夜はフリースで防寒

私が歩いた4月末のGWの時期は、熊野古道歩きには最高の季節だと思います。標高が低いところを歩くので、真夏は暑すぎますが、この時期であれば、不快感のない汗ばむ程度で歩くことができます。夜は少し寒いので、フリースがあった方が良いでしょう。私はダウンパンツも履きましたが、なくても大丈夫だったと思います。

小辺路ルートの様子を写真で紹介

私が小辺路ルートを歩いた様子を、1日目~3日目に分けて以下に紹介したいと思います。

1日目:高野山~萱小屋跡 (曇り)

初日は車で高野山へ到着したのが昼前であったので、午前12時半にお助け地蔵尊前駐車場を出発し、行けるところまで行ってテント泊をしようと思いました。結果、伯母子岳へ登る途中の萱小屋跡まで行けました。

1日目に通過した主なスポットは以下です。

高野山→ろくろ峠→薄峠→御殿川橋→大滝集落→水ヶ峰→大股集落→萱小屋跡

お助け地蔵尊前駐車場向かいにある階段を上り、トレッキングスタートしました。

車も走る林道をひらすら歩き、ろくろ峠に到着しました。

こちらは薄峠です。変わらない景色ですでに飽きました。。

薄峠から下って御殿川橋に着きました。

御殿川橋から少し歩くと大滝集落を通過しました。

大滝集落を過ぎて、少し山道を歩いた後は、水ヶ峰へ向けて車道歩きになります。ここも変わり映えのない景色でつまらないです。。

水ヶ峰を通過しました。

その後下って大股集落に到着します。

大股集落から再び登り返し、萱小屋跡に到着しました。すでに夕方6時なので、ここでテント泊することにしました。

萱小屋は3人くらい泊まることができ、なんと薪ストーブが使えるし、小屋前の薪も使えます。すでに夫婦2人が入っており、私は予定通りテント泊しました。小屋前には水場もあって助かりました。

夕飯はパスタ、翌日は棒ラーメンを食べました。

2日目:萱小屋跡~天水田 (晴れ)

2日目は、果無峠手前の天水田を目指しました。コースタイム12時間20分におよぶロングコースですが、天水田の手前の区間は十津川村の車道歩きで、ちょうど良いテント場がなさそうだったので、頑張って歩くことにしました。

伯母子岳と三浦峠の激しいアップダウン後の長い長い車道歩きに堪えて、なんとか日が暮れる前に天水田にたどり着けました。

伯母子岳山頂と果無集落からの眺めが素晴らしく、これらが小辺路歩きのハイライトだったと思います。

2日目に通過した主なスポットは以下です。

萱小屋跡→伯母子岳山頂→伯母子岳登山口→三浦峠登山口→三浦峠→西中集落→ホテル昴→果無集落→天水田

萱小屋跡を出発すると、伯母子岳山頂へ向けて歩きました。前日からうってかわって快晴となり、気持ちの良い朝でした。

伯母子岳山頂に到着しました。360度の展望で大峰山脈の山々が見渡せます。

伯母子岳から下山すると、三浦峠へ登るために車道歩きをします。

三浦峠登山口前の橋です。

三浦峠に上って下りるまでの間、ずっと樹林帯の中を歩き、眺望がないので正直つまらないです・・。ただし眺望があるポイントが2ヶ所あり、峠の手前で下の写真の眺めがあり、一瞬テンションあがりました。

三浦峠に到着しました。ここには東屋とトイレがあって良い休憩ポイントです。

三浦峠を下る途中、2つ目の眺望ポイントがあり、ここから今西集落が見えました。今西集落は十津川村のすごく奥まった場所にある集落のようですが、人は住んでいるのですかね。。

三浦峠を下山し、ここから長い長い地獄の車道歩きとなります。果無峠登山口まで2時間以上歩く必要あります。

ホテル昴に到着し、ここからトンネルと橋を渡った後に上りが始まり、果無集落へ向かいます。

果無集落は、宙に浮いたように見えるロケーションで、素晴らしい景観を見せてくれました。

下の世界遺産石碑は、ネットで小辺路を検索した際によく見かけたものです。

果無峠への登山口に到着し、ここから今夜のテント場の天水田へ向かいました。

朝5時に出発し、夕方5時にテント場となる天水田に到着しました。重いテント泊の荷物を持って12時間の歩行は、非常に疲れました。

2日目も、夕飯はパスタ、翌日は棒ラーメンを食べました。

3日目:天水田~熊野本宮 (晴れ)

最終日は、コースタイム5時間と短めで、のんびり歩いて熊野本宮を目指せばよいので気が楽でした。

熊野本宮に近くなると、綺麗な石畳や石階段の道が現れ、イメージ通りの熊野古道らしい雰囲気を味わえました(ある意味ここに来るまで、そのような雰囲気はなかったです・・)。熊野本宮と大斎原大鳥居は、観光客だらけでしたが、やはり神聖な雰囲気が感じられ、訪れるべきスポットだと思いました。

3日目に通過した主なスポットは以下です。

天水田→観音堂→果無峠→道の駅 奥熊野古道本宮→熊野本宮

朝焼けを見ながら天水田を出発し、果無峠へ向かいます。

果無峠の手前に観音堂があり、ここにはトイレと水場があり、テント場に最適です。

樹林帯歩きの中で、突然撮影スポットが現れました。後ろに見える山を背景にし、"小辺路"の案内板が映えました。

果無峠に到着しました。ここは樹林帯に囲われて眺めはありません。

果無峠からゆるやかな長い長い下り道となります。石とか草とかがなく、道はかなり歩きやすかったです。

熊野本宮の道の駅に到着しました。熊野本宮までもうすぐです。

熊野本宮に近づくと、かなり雰囲気の良い石畳や石階段の道となりました。ここに来るまで、このようにいかにも熊野古道らしい道はなかったです。よく見る熊野古道のイメージ写真は、熊野本宮近辺限定だったのでしょう。。

"ちょっと寄り道"という看板が現れて行ってみると、大斎原大鳥居が遠くに見える綺麗な風景を堪能できました。

それから少し歩いて熊野本宮に到着しました。ここまで2泊3日、疲れたけど達成感ありました!

大斎原大鳥居も観光して、そのあと車を回収するため、バス+電車で高野山へ戻りました。

まとめ

GW初めに熊野古道の小辺路を2泊3日のテント泊で歩いたので、歩いた様子と感想を紹介しました。

ほとんどのルートは樹林帯の中で単調である一方、たまに木々の間から綺麗な山の景色を見たり、集落や舗装道路歩きもあったりで、変化も楽しめました。歩く人も少なく、静かな山歩きができたのも良かったです。

普段はいろんな山に登っていますが、熊野古道のような山頂を目指さないロングトレイル歩きは、別の楽しさがあって新たな発見でした。熊野古道でない、日本のロングトレイルのルートを探して行ってみようかと思案中です。

また、今回は小辺路歩きでしたが、中辺路や那智の滝方面のルートはまだ歩けていないので、別の機会に行ってみようと思います。