
北関東は低山が多い
茨城県、群馬県、栃木県の北関東3県は、登山道が整備されている低山がたくさんあり、気軽に登山を楽しめる環境となっています。
標高1,000m以下と定義される低山は、市街地のそばにあってアクセスがしやすく、距離が短いコースが多くて登山しやすいのが特長です。登山初心者でも、低山人気コースであれば気軽に取り組めると思います。
冬の低山登山が良い
私は北関東在住で、これまで多くの低山登山をしてきました。夏でも冬でも登山をしますが、夏は涼しさを求めて、主に北や南アルプスの高い山に登り、冬は雪がない低山を登るようにしています。夏の気温30℃越えの中、低山に登る気になりませんが、真冬であれば程よく汗をかいて快適に登山できます。
さらに冬の低山登山で良いのは、夏に比べて眺めが良いことです。低山は樹林帯が多くて、基本的に眺めは良くないのですが、以下の理由で冬は眺めが良くておすすめです。
- 低温で空気が澄んで天気が良い
- 枯れた木々の間から景色が見える

実際に登ってみて眺めが良かった低山8選
私がこれまで登ってきた30山以上の北関東の低山の中で、特に眺めが良かった低山を8選にして紹介したいと思います。
低山は木々が多いため、山頂も含めて登山ルート中ほとんど眺めが良くない場合が多いです。その中でも、山頂だけでも眺めが良い低山がいくつかあり、それらをピックアップしてみました。
1. 鳴神山(群馬県桐生市)
最初に紹介するのは、群馬県桐生市にある鳴神山(標高980m)です。登山道からの眺望はほぼないですが、山頂からは360°の大展望で、日光白根山、赤城山、武尊山、皇海山などの山々を見ることができます。
一般的な登山口は下の地図の駒形登山口で、標準コースタイムは往復2時間半(上り1時間半、下り1時間)です。
鳴神山は、桐生市街にある水道山公園から尾根伝いに縦走できる登山道が整備されており、私が行ったときは、水道山公園の駐車場を出発して鳴神山までの往復登山をしました。
私が行ったのは2023年2月18日で、真冬なので出発時は寒かったですが、ずっと歩いていると、ほどよく汗をかいて気持ち良かったです。
私が歩いたコースとコースタイムの看板があり、登山道もちゃんと道標が設置されており、あまり迷うことはありませんでした。ただし、縦走路から外れて下山する道の分岐がところどころあるので、迷い込まないように注意する必要はありました。またこのコースは距離が長いので、歩いている登山者はあまりいませんでした。。


下の写真が鳴神山山頂からの見える景色です。真冬なので空気が澄んで空が真っ青で、遠くに雪をかぶった山々が見えました。ここからだと日光や赤城などの山々が良く見えました。



2. 吾妻山 (群馬県桐生市)
上で紹介した鳴神山と同時に訪れたのが、同じく群馬県桐生市の吾妻山(標高481m)です。吾妻山は桐生市街地のすぐそばにあり、コースタイムも短く容易に登れるため、多くの登山者が訪れます。私が行ったときも、小学生の子連れ登山者を多く見かけました。桐生市民に愛されている山だと思います。
一般的な登山口は下の地図の水道山公園で、標準コースタイムは往復2時間(上り1時間5分、下り55分)です。水道山公園のすぐ近くに吾妻公園もあり、そこから登ってもよいでしょう。
登山道は下の写真のように広くて歩きやすいですが、途中男坂と女坂に別れ、男坂ではちょっとした岩場の登山も楽しめます。


吾妻山山頂は広々としており、休憩スポットとして最高です。


眺めは360°の大展望というわけではないですが、桐生市街を一望できます。やはり綺麗な景色を見るためには、空気が澄んだ冬の晴れた日に訪れたい場所です。

3. 戸神山 (群馬県沼田市)
次に紹介するのは、群馬県沼田市にある戸神山(標高771m)です。私が訪れたのはかなり前の2010年2月7日で、雪がたくさん積もった日に登りました。
沼田市は谷川岳に近い場所で積雪多めの地域のため、冬の戸神山は雪山なります。ただし短時間で登ることができ、山頂からの眺めも良いため、手軽に雪山登山するにはもってこいです。
登山口駐車場は下の地図でベーグル屋さん少し上の、虚空蔵霊園の駐車場に停めさせてもらう感じです。そこからの標準コースタイムは、往復1時間45分(上り1時間、下り45分)で、短時間で山頂から360°の絶景を楽しめます。
沼田市観光協会の登山ルート図は以下のようになっており、いくつかコースがありますが、一番登られているのが、山頂南側の登山ルートだと思います。
引用元:沼田市観光協会
私が行った時ですが、虚空蔵駐車場を出発してすぐの時点で、下の写真のように完全に雪山でした。

雪のラッセルを楽しみながら山頂に到着しました。

山頂からは赤城山や上州武尊山の眺めが良かったです。手軽に登れるのにこれだけの雪景色を楽しめ、素晴らしい山行でした。




下山後は、沼田市名物のほうとうと焼きまんじゅうを食べて帰りました。沼田市街は昔ながらの雰囲気があって、散策におすすめです。


4. 岩櫃山 (群馬県東吾妻町)
4つ目に紹介するのは、群馬県東吾妻町にある岩櫃山(標高802m)です。迫力あるごつごつした岩の山容が特徴の山で、眺めても楽しめるし、登っても山頂からの高度感抜群の眺めを楽しめます。
下の写真が岩櫃山です。切り立った岩峰が見ごたえあります。低山でありながら、この外観はなかなかレアだと思います。

登山ルートは以下のようになっており、車で行く場合は古谷登山口駐車場(下の地図で"古谷T字路"と記載)と平沢登山口駐車場(下の地図で山頂東側の"登山口")のどちらかに停めることになると思います。いずれの登山口からでも、往復2時間以内で登山できます。

私はこれまで2度ほど行っていますが、紹介する写真は2010年11月27日のものです。この日は平沢登山口を出発し、岩櫃城跡を経由して山頂へ向かいました。
山頂からは、赤城山や榛名山など上州の山々を見渡すことができました。


下の写真のように、岩峰の登山道から高度感のある風景を楽しむこともできます。

岩櫃山は、外観も山頂からの景色いずれも見応えがあり、是非ともおすすめしたい低山です。
5. 大小山 (栃木県足利市)
5つ目に紹介するのは、栃木県足利市にある大小山(標高282m)です。標高がたったの282ⅿでありながら、岩場や鎖場ありの変化に富んだ登山道と、山頂からの360°の大展望で、大人気の山です。
大小山には同程度の標高の妙義山が隣接していますが、いずれも山頂からの展望が良く、赤城山や日光の山々を見渡せます。晴れていれば遠くにスカイツリーも見えます。
登山ルートは以下地図右下のようになっており、JR富田駅から徒歩20分のところにある阿夫利神社から周回登山するのが一般的です。標準コースタイムは、阿夫利神社~大小山~妙義山の上りが60分、妙義山~阿夫利神社の下りが60分です。
なお、妙義山から下る際の鎖場は低山とはいえ、あなどれないので注意して下山するようにしましょう。
引用元:足利市
私は何度か大小山を訪れていますが、写真は2024年12月1日に行った時のものです。12月ですが低山のため、紅葉がまだ残っており、さらに空が澄んでおり、景色が非常に良かったです。
下の写真は大小山山頂からの眺めです。足利市街とその向こうに秩父や八ヶ岳などの山が見えます。


大小山山頂から少し歩くと妙義山に到着します。大小山より妙義山の方が、眺めが良い気がします。

下の写真のように、遠くに幻想的な大きな山が見えましたが、筑波山でしょう。


6. 両崖山 (栃木県足利市)
大小山と同じく栃木県足利市にある低山の両崖山(標高251m)も素晴らしい低山です。山頂からの眺望はあまりないですが、山頂手前の登山道から見える、足利市街の景色が非常に素晴らしいです。
登山ルートは以下の地図の通りで、足利織姫神社から出発して往復するのが一般的でしょう。その場合標準コースタイムは上り下りともに1時間35分です。織姫神社には駐車場もあるし、足利駅からバスでアクセスすることもできます。
引用元:足利市
私が両崖山を訪れたのは2022年1月21日です。
山頂までの登山ルートは木々にあまり覆われていないため、見晴らしが良い登山ルートとなっています。


登山道から見た、足利市街と低山群の景色は絶景でした。

眺めの良さを楽しむため、下の写真のようなおしゃれな展望デッキも設置されています。誰が設置してくれたのか分かりませんが、ありがたいです。

下の写真が山頂ですが、山頂からはあまり眺望がありませんでした。

7. 三床山 (栃木県佐野市)
7つ目に紹介するのは、栃木県佐野市にある三床山(標高335m)です。"三"という数字がついていますが、一床山、二床山も存在し、同時に登山できます。特に一床山山頂からの眺めが素晴らしかったです。
登山ルートは以下のように、鹿島神社本殿の駐車場から出発するのが一般的で、ここからいくつかルートがありますが、神社~三床山~二床山~一床山を往復するなら、標準コースタイムは上り1時間25分、下り1時間5分です。
駐車場は以下地図の鹿島神社本殿近くにある、太陽光メガソーラー裏にあります。
私が三床山を訪れたのは2023年1月28日で、真冬の澄み切った青空の中の登山でした。
登山道は下の写真のように鎖場もあって、変化に富んでいました。

下の写真が三床山ですが、ここは木があって、さほど眺望は良くありませんでした。

二床山に到着しました。ここからは佐野市街を見下ろすことができました。

そして一床山からは360度の大展望でした。佐野市街や日光方面の山々を一望できます。


下の写真は、日光白根山や男体山の日光方面だと思いますが、ずっと遠くまで山並みが続いており、素晴らしい景色でした。

佐野市の低山が連なる景観もなかなか見応えがありました。

8. 古賀志山 (栃木県宇都宮市)
最後に紹介するのは、栃木県宇都宮市にある古賀志山(標高582.6m)です。宇都宮市街地から近い場所にあり、手軽に登れる山として人気の低山です。
登山道は下の写真のように、赤川ダム駐車場から出発して周回するルートが一般的でしょう。この場合、上り1時間15分、下り1時間25分です。
引用元:宇都宮観光ナビ
私が古賀志山を訪れたのは2011年1月16日ですが、正直あまり登った記憶がなかったですが、宇都宮市街地そばでアクセス良いので人気の山であるし、写真を見返していると眺めが良さそうだったので紹介します。
私が行った日は晴れてはいましたが、少し雪が舞う日でした。

山頂からは下の写真のように筑波山を眺望することができました。

登山道から見た古賀志山だと思いますが、なかなか格好良い山容です。

まとめ
私がこれまで北関東の群馬県、栃木県の2県にある低山を多く登ってきた経験から、眺めが良いと感じた低山を8選にして紹介しました。
低山は樹林帯に覆われ、基本的に眺めが良くない山が多いですが、中には本記事で紹介したような、山頂から大絶景を眺望できる山がいくつかあります。短時間で気軽に登山できるうえ、素晴らしい景色を見られるので、低山登山のメリットは非常に大きいです。
本記事で紹介した低山登山をやってみて、低山の良さを発見してもらえると幸いです。なお低山登山する場合は、気温が低くて空気が澄んだ真冬の時期に行くのがおすすめです。



