鹿島槍ヶ岳の登山拠点となる冷池山荘
冷池山荘(つめたいけさんそう)は、北アルプスの日本百名山の鹿島槍ヶ岳を登山するための拠点として、多くの登山者に利用されている山小屋です。
登山口(柏原新道や赤岩尾根の登山口)から鹿島槍ヶ岳を登頂して日帰りで下山するのは、時間がかかりすぎて難しいため、山小屋で宿泊する必要あります。扇沢の柏原新道登山口から鹿島槍ヶ岳までの間には、種池山荘と冷池山荘の2つの山小屋がありますが、鹿島槍ヶ岳に近い方が冷池山荘です。
冷池山荘には、小屋から離れた場所ですがテント場もあるため、テント泊できます。小屋から離れているため、トイレと水場が遠いというのが難点ですが、テント場から見える立山や剣岳の眺めが良いのが魅力です。
私は2024年9月14日(土)から、冷池山荘のテント場に1泊して鹿島槍ヶ岳を登りました。本記事では、冷池山荘テント場の様子や設備、泊まった感想をまとめたいと思います。また、私が歩いた登山ルートで見えた景色も紹介します。
冷池山荘テント場の行き方
冷池山荘のテント場へ行くには、以下の4つのアクセス方法がありますが、一番歩きやすくて人気なのが、扇沢の柏原新道登山口から歩くルートです。このルートでは、途中に日本三百名山の爺ヶ岳も経由し、360°の大展望の景色を堪能できます。
- 扇沢の柏原新道登山口~冷池山荘
- 鹿島槍スキー場のある赤岩尾根登山口~冷池山荘
- 針ノ木岳から縦走して冷池山荘へ
- 五竜岳から縦走して冷池山荘へ
扇沢の柏原新道登山口から冷池山荘へ行く登山ルートを以下に示します。
山荘までの標準コースタイムは、上りで、扇沢登山口~種池山荘が3時間50分、種池山荘から冷池山荘が2時間10分です。下りは、冷池山荘~種池山荘が2時間20分、種池山荘から扇沢登山口が2時間45分です。
テントを担いで登山するには、人によりますが、少し長めのコースタイムとなるでしょう。ただ、この登山ルートは、日本百名山の鹿島槍ヶ岳があるだけあって、非常に整備されており歩きやすいです。
また、柏原新道登山口には、シーズン中は登山指導員がおり、"どちらへ行きますか?登山届は出しました?"と聞かれました。それくらい安全安心な登山道と言えます。
冷池山荘テント場の様子、特徴
冷池山荘の基本情報は以下です。
- 料金:1泊1人2,000円(水1リットルとトイレ利用料を含む、2024年10月現在の料金)
- 開設期間:7月上旬~10月下旬
- 張数:60張
- 予約の要否:特定日(7月~10月の土/祝)のみ必要、山荘HPからネット予約
- docomo電波:電波は届いていましたが微弱で、webページ開くのに時間がかかりました
冷池山荘は水が有料(500ml/100円)ですが、テント泊料金には水1リットル分が含まれています。さらに、事前にHPから印刷した宿泊者名簿に記入してチェックイン時に提出すると、追加で水500ml分がサービスでもらえます。
小屋とテント場が離れている・・
テント場は、山荘から10~15分登ったところにあります。そのため、売店、トイレ、水の販売所へ行くには、テント場から10分ほど下り、また10~15分かけて登って戻る必要があります。。これが結構大変で、他にテント泊している方からも不満の声が聞こえました・・。
下の写真はテント場から小屋へ向かう途中に撮った写真です。眺めはいいですが、ここでまだテント場と小屋の中間位置くらいなので、その遠さが分かると思います。
テント場の様子
テント場は鹿島槍ヶ岳山頂へ向かう途中の斜面にあり、下の写真のように少し斜めになっています。整地はされていますが平らな場所は少ないため、早めに到着して良い場所を確保するとよいでしょう。
テント場は熊が出没するらしく、テント内に食事を置いたままにしないようにとの看板がありました。仕方なく、鹿島槍ヶ岳山頂までの往復は、食料を持って歩きました。
さすが登りやすい北アルプスの百名山だけあって、テント場は多くの登山者がテントを張り、この日は15時くらいには満員となっていました。
立山、剣岳の眺めが良い
冷池山荘のテント場は、山荘から遠くて傾斜があるのが難点ですが、なんといっても眺めが良いのが最高のアピールポイントです。テント場から真正面に立山連峰の山々を見ることができます。
私は朝5時半くらいに扇沢を出発して朝10時頃の早い時間にテント場へ到着したため場所は選び放題で、下の写真のように、山々が見渡せる素晴らしい場所にテントを張りました。ただ登る途中に見えていた立山連峰の山頂付近は、テント場に着くころには雲で隠れてしまっていましたが。。
立山連峰に昼間かかっていた雲は、夕方には晴れてくれて、素晴らしい夕日と日の入りを拝むことができました。こういうのを見ると、やはりテント場に泊まって良かったなと実感します。
テント場から遠い水場とトイレ
テント場から水場とトイレへ行くには上述したように、約10分くらい下った山荘へ行く必要があります。
有料の水場
水は有料の500ml/100円で、下の写真のように水を入れるための容器を差し出し、でスタッフに汲んでもらいます。
トイレ
トイレは山荘の端っこにあり、和式と洋式、小便器それぞれありました。
私が冷池山荘のテント場で過ごした様子
冷池山荘のテント場は眺めが良いのですが、私が行った9月中旬はまだまだ気温が高く、テントの中も外も暑く、テント場内に日陰もないので、居場所に結構困りました。
少し山頂側へ歩いたところに木陰があったので、そこで涼んだりして日が暮れるのを待つ状況でした。。
日傘を持っている方がおり、それが羨ましかったです。
夕ご飯はレトルトパスタ、朝食は棒ラーメンを食べました。
私が登山中に見た景色を紹介
私が登山口の扇沢から柏原新道を通って、冷池山荘を経由して山頂まで歩いた際に見た景色を紹介します。
冷池山荘へ向かう途中の種池山荘~爺ヶ岳の景色が綺麗だった
登山口を朝5時半頃出発し、数時間歩くと種池山荘に到着し、そこから少し歩くと爺ヶ岳へ到着しますが、天気が良くて最高の景色でした。1泊2日の山旅の中で、最も天気が良かった時間です。
種池山荘からは、針ノ木岳方面が綺麗に見えました。
爺ヶ岳へ登る途中から種池山荘方面を振り返ると、剱岳や立山などの立山連峰の山々が綺麗に見えました。しかし早々に雲がかかり始めており、少し残念な気持ちになりながら、歩を進めました。
下の写真のように、鹿島槍ヶ岳山頂もこの時間は綺麗に見えていました。今山頂へすぐ行けたら、と思いながら、右の方からモクモクと上がってくる雲が憎かったです。。
下の写真は、爺ヶ岳南峰から中峰を向かう途中、南峰を振り返ったものです。
鹿島槍ヶ岳に登ったが残念ながらガスの中
冷池山荘のテント場に到着してテントを張った後、鹿島槍ヶ岳山頂へ向かいました。冷池山荘から鹿島槍ヶ岳北峰まで往復4時間40分のコースタイムです。
ガスが多くて山頂があまり良く見えない中、長い道のりを歩きました。
鹿島槍ヶ岳山頂(南峰)に到着しました。ガス多くて視界は良くありません。晴れていたら、剱岳などが綺麗に見えたのでしょう・・。
眺望は期待できないですが、北峰も行ってみました。南峰から北峰の間は岩場が多くて歩きづらかったです。
北峰山頂からは真っ白で何も見えずでした・・。ここら先、本当は五竜岳方面の八峰キレットが見えると思うのですが、残念です。
まとめ
冷池山荘のテント場に泊まり、北アルプスの鹿島槍ヶ岳へ登った様子を紹介しました。
鹿島槍ヶ岳の扇沢ルートは、コースタイムは長いですが、登山ルートに山小屋が2つもあり、登山道も整備されており歩きやすいため、おすすめしたいルートです。
登る際は、種池山荘か冷池山荘に泊まることになりますが、水場やトイレが遠くて傾斜があるなど難点はあるものの、眺めが最高の冷池山荘テント場に泊まるとよいでしょう。